傍楽 - Kaori's Blog

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

笑いあり涙ありのオンライン居場所居酒屋「汽水 Neo」に参加!

オンライン居場所居酒屋「汽水 Neo」に参加

パノラマとスペース・ナナさん主催の居場所居酒屋「汽水」がコロナの影響で開催できなくなってしまいました。
非営利居酒屋なので売上の心配ではなく、「気軽にふらっと立ち寄れる場」「気持ちを回復させてくれる安全基地」のような居場所がなくなってしまうことの危機感を感じていた関係者も多かったと思います。

そこで新しい形の居場所の試みとして、パノラマ代表の石井さんが店主となり、ZOOMを活用した「汽水 Neo」Part 1が昨日開催されました。

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新型コロナの影響で厳しい状況の中でも、パノラマが新しい居場所をつくろうと模索していることを知り、「やっぱりパノラマだ!」と嬉しい気持ちになり参加しました。

「汽水」とは

そもそも「汽水」とは何かというと、 2018年9月に「支援をしない支援」を目指してオープンしたコミュニティー居酒屋(居場所居酒屋)です。場所はNPO法人スペースナナさんのコミュニティスペースの中です。(他の事業や活動 | NPO法人パノラマ)

以前石井さんから汽水をつくった目的をお聞きし、大変共感したことを覚えています。

若者たちが本当に話したいことは将来の働くコトではなく今のコトや、夢中になっている趣味の話なのではないだろうか。本当に聞きたい話は、先生と呼ばれる人やカウンセラーの話ではなく、町のおっちゃんやおばちゃんの面白い話なのではだないだろうか。

私たち支援者も専門性の肩書きを外せば、町のおっちゃんやおばちゃん、兄ちゃんや姉ちゃんのはず。だけど、支援の場ではなかなかこの肩書きを外すことができません。特に、常に成果を求められる国の委託事業で50分の雑談をするわけにはいきません。

要するに大人がしてあげたいことと若者がしてほしいことのニーズがマッチしていないのではないか? 私たちはそんな疑問を抱きました。

そこで「汽水」。私たちは“支援をしない支援”を目指します。専門性のない町のおじちゃん、おばちゃんたち(多様なロールモデル)と、社会に出にくい若者や、社会に出たもののサードプレイスを持たない孤立しがちな若者を月に一度、お酒も飲める居場所居酒屋というコミュニティ・スペースを作り出会っていただきたいと思います。

時には弾みでお説教もあるかもしれません、時には大人が若者に相談することだってあるかもしれません。私たちは、そんな「地域互恵型支援」を実現させたいのです。ただし、配慮が必要な若者へは私たちの専門性を発揮し、若者たちに安心を提供します。必要であればしかるべき支援機関を紹介することもできます。(パノラマ代表石井さんより)

参加者も徐々に増え、最近はいつも満席のようです。こんな手作りの夕食をいただけるのも大きな魅力ですね。

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これをオンラインにしたのが「汽水Neo」です。

「汽水Neo」の様子

「汽水Neo」盛り上がりました〜〜(^^)。特に急遽開催された2次会。

時間は1時間と少し短めです。ちょっとお試しで様子を見てみたいという方には2時間は長いかもしれないので、1時間は参加のハードルが下がって良いかもしれないなと思いました。その後、1時間じゃ足りない人やもう少し話したい人で、2次会としてもう1時間続けることになりました。

【1次会はみんなで顔を合わせる】
1次会はみんなで顔を合わせをし、それぞれ自己紹介をしました。
私は初めての方がほとんどでしたが、顔馴染みの参加者も多かったようで、久々の再会に涙もありました。そこにはコロナで会うことができなくなった仲間の状況をずっと心配されていたのであろう思いやりを感じました。

時間が1時間ということと人数もそれなりにいるので、自己紹介中心で双方向になりにくかったり、全員の顔が1画面に表示されなかったりという課題もありましたが、「汽水」になかなか行けない私としては、どういう方が来ているのかもわかりましたし、実際にお会いしてみたいな〜とオンラインからリアルの関係への一歩をいただけたように思います。

【2次会は好きに話す】
ここからが、居場所居酒屋の本領発揮かもしれません!?
話したい人が自由に話すのですが、店主の石井さんの絶妙な仕切りにより、自由さ・ゆるさを保ちながらも一体感が徐々に出てきました。

オンライン居場所は、空気を読みすぎたりマナーを求めたりするとつまらなくなると感じます。ただ、初めての人もいると、どうしてもおとなしくなってしまいがちですよね。そんな時、そのかしこまった雰囲気をいい感じで壊してくれる人が、いい味を出し存在感を増す(人気者)ように思います。

最後は、なんだかよくわからないけど、みんなでゲラゲラ笑って解散。
またやろうと約束しました。
"金曜日の午後はずっとオープンにしていて出入り自由にするというのも良いね"という石井さんのアイデアも賛同の声が多かったです。そういう気軽さがオンラインでできたらすごいな〜と思います。

盛り上がったのはなぜか

これまで参加したオンライン飲み会と比べると飛び抜けて盛り上がっており、その要因を考えてみました。

  1. 石井さんがリアル(オフライン)で培った参加者との関係性
    これはやはり石井さんによる仕切りが大きかったと思います。石井さんが、これまでリアル(オフライン)で培った参加者との関係性があったことが肝だったように思います。初対面の方でも石井さんを通じて親近感を持て、その結果一体感が生まれたように感じました。これには、参加人数をある程度絞ることも必要かもしれません。
  2. かしこまった空気を良い意味で壊してくれる参加者
    参加者の方の中にかしこまった(真面目な)空気を良い意味で壊してくれる方が複数いたことも大きかったように思います。本当に子どものように自由な体勢で参加したり(笑)、「ここの人ならわかってくれるかも!」とみんなに聞いてほしいことなど自由に発言していいという"暗黙の了解"があったのが良かったと思いました。

今後の「汽水Neo」に期待です。
もちろんリアル(オフライン)の汽水が戻ったら久しぶりに行きたいです。
リアル(オフライン)とオンラインが両輪で動くと、より発展した「汽水」が生まれるのかもしれないと思いました。

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