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「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

【書き起こし】参議院法務委員会 嘉田由紀子議員による共同親権に関する質問~日仏関係、日弁連の変化等~

 3月24日(火)参議院法務委員会において、嘉田由紀子議員による質問、日弁連の方向性の変化とローラン・ピック駐日フランス大使との意見交換の内容についての音声書き起こしです。

(ポイント)

①日仏関係

嘉田議員からの質問により、3月3(火)日に、森法務大臣とローラン・ピック駐日フランス大使は共同親権についての意見交換をしていた事実がわかった。

comriap.hatenablog.com

 ② 日弁連の議論の後退化

日本の家事事件で大きな影響力がある日弁連の変化について。
2009年の"日本弁護士連合会60周年記念誌"には、離婚後の親権については、共同親権の実現に向けた取り組みということで、単独親権のみを定める民法が実情に照らして、もはや相当とはいいがたく、日弁連では2006年以降3回にわたってシンポジウムを開催するなど共同親権を実現するための法改正に向けて継続して調査研究をすすめている、という記述があった。しかしながら、2019年の70周年誌では一切触れられていなかった。日弁連の議論の方向をみると、共同養育・共同親権というのは、大きく後退をしているようにみえると指摘。

③  単独親権制度の中で親権をとれなかった親の苦しさ
武蔵野市で起きたタイ人の母親による2児殺害事件と、その背景にある親権問題について言及。

 

嘉田由紀子議員
「先ほど、高良議員が夫婦別氏制度のこと、これまさに明治以来の民法を背負っている今の日本の問題だと思います。
最近のニュースですけど、昨日3月23日滋賀県議会では夫婦別氏制度進めてほしいという意見書が賛成多数で採決されました。そのこと、47都道府県の中で6県目と聞いております。また市町の議会では56件ということで、だんだんに、まさに地方からもこの夫婦別氏制度、選択させてほしいという切実な願いがあるということをまずお知らせさせていただきます。

2点目のまさに民法で家制度が大変大きな影響をいまだに引きずっている、先ほどの山添議員のお話を伺ってますと、刑法でも、まさに家父長制の家制度で、性行為に同意を求めないというようなことが刑法にまだ残っていると、これも、現代社会においてありえないことではないかと思っておりまして、明治以降の明治民法あるいは家父長制度がいかに私たちの家族生活あるいは日常生活に深く入り込んでいるかということを思い知らされております。」

「それから、大変悲しいニュースが今朝方ございました。東京の武蔵野市で10代の兄妹がお母さんから殺されるという中学校一年生の長男13歳、長女小学校4年生、お母さんはタイの方で、国際結婚だったということで、これも離婚協議の中で、子どもを自分の手元におけない、次の詳しいニュースをもっと調べないといけないのですが、どうもタイのほうに帰れと言われて、子どもは家の子だから旦那さんのほうでとるんだと、いうところで、かなり追い詰められたんだと思います。大変痛ましい、あってはならないことだと思いますけれども、このお母さんの思いを少し普遍しますと、この法務委員会でも言わせていただきました、金子みすゞ詩人でしたけれど、昭和5年に夫の方に子どもをとられて、それで親権がとれないということで、服毒自殺をしてしまった。金子みすゞさんのことを思いおこして、本当にこうやって、家族の問題というのはまだまだ根が深いんだということを感じております。」

「先ほど、今日も朝から小野田議員が、養育費のことにきわめてわかりやすく書いていただいて、本当に養育費を確保するのは大変なんだなということで、フローチャートで示していただきました。私も相変わらずですが、子どもの親権問題について質問させていただきます。

毎回申し上げているんですけども21万人を超える子どもたちが父か母かどちらかということで、片親ロスになってしまうという、離婚後、こういう中で、まずは今日は日本の家事事件で大きな役割を占めております日本弁護士連合会のここ十年の変化を少し勉強させていただきました。
例えば、2009年に日本弁護士連合会60周年記念誌には、両親の離婚が子どもの精神面や心理面への影響が大きく、子どもの権利が脅かされる面が多いとして人権問題として提起されております。
そして、離婚後の親権については、共同親権の実現に向けた取り組みということで単独親権のみを定める民法が実情に照らしてもはや相当とはいいがたく日弁連では2006年以降3回にわたってシンポジウムを開催するなど共同親権を実現するための法改正に向けて継続して調査研究をすすめている、という記述が2009年の日弁連の60周年記念誌にございます。その後10年たって、2019年の70周年誌を見ますと、実はこの共同養育や共同親権、一言も触れられておりません。もちろん、民法776条、2011年に改正されますけれども、養育費と面会交流については触れられておりますが、この共同養育、共同親権については、一言も触れられておりません。一方でハーグ条約については、2014年から発効しておりますけれども、そこについてはかなり詳しく記述がございまして、2018年5月に日弁連メンバーがフランスを訪れてシンポジウムをやったり、それから調査研究をしたと、というような記述がございます。その中に、例えば、フランスは大陸法系な国として日本と類似の制度をもつと、という記述があるんですが、これは家族法の専門家として、あらっと思うのですが、日本とフランス、そういう意味では家族法は類似とは言い難い、大変大きな違いがあるとは思います。そういう中で、法務実務を担っている離婚問題に直面する父母や子どもたちの頼みの綱が弁護士さんたちでございます。日弁連の議論の方向をみますと、共同養育・共同親権というのは、大きく後退をしているようにみえます。

一方今、家族法制の見直しをすすめている法務省の方向性がございますけれども、少しずれがあるのではないのかと見えるわけでございます。もちろん、日弁連さんは独立した民間機関ですから、法務大臣が意見をいうようなお立場ではないかもしれませんが、やはり社会的な合意形成ということで見ていくとご自身も弁護士であり法曹界ご出身の法務大臣のご意見を伺えたら幸いです。」

法務大臣
「離婚後共同親権制度の導入の是非をめぐっては法曹界日弁連の中でも様々な意見がございまして、また法律専門家だけでなく実際に離婚を経験された方をはじめとして、社会の中にも多様な意見があると承知しております。家族法研究会は法律の専門家や法律学の研究者を中心に構成をされておりますが、多くの方が納得することができる議論となるように、先日も私から法務省の担当者に対して、実際に離婚を経験した父母の方々や心理学等の研究者から十分に意見をきくようにとそうして検討をすすめるように指示を出しました。多様な意見がある中で、合意形成でございますので、意見の調和をはかることは容易な作業ではございませんけれども、様々な意見にしっかりと耳をかたむけて家族法研究会においてこの問題も含め、充実した議論がされることを期待しております。」

嘉田由紀子議員
「前向きに研究そして合意形成に向けて動いていただいていると理解をしております。そういう中で日本国内で横行しております子どもの連れ去り問題、実子誘拐といわれておりますけれども、海外から、かなり様々な意見がございます。日本政府、ハーグ条約に対しても動きが鈍いのではないかというような懸念も表明されておりますけれども、昨年の秋、日仏議連でフランスのピック駐日大使にお会いしました。ピック大使は日本の単独親権がハーグ条約で問題になっている子どもの連れ去りを許していると、また国連の児童の人権条約にも違反していると言っておられました。ちょうどこの3月3日に森法務大臣、フランスのピック駐日大使と会われたということでございます。フランス大使館のTwitterでは日仏間の司法協力と子どもの権利条約で計画されているように離婚した場合に子どもは両方の親に面会できるという原則の実現を再確認するために森法務大臣に会ったと記載がございます。この時、片親親権問題などについて具体的にどのような議論がなされたのでしょうか。公表できる範囲で結構でございますのでよろしくお願いいたします」

法務大臣
「今月の3日に法務省にローラン・ピック駐日フランス大使がおいでくだしまして、様々な意見交換をいたしました。京都コングレスをはじめとしてですね、本当に様々な数えきれないくらいですね、思い出してみてもですね、多くの話をした中で、その一つとして、共同親権制度についても意見交換をおこなったものでございますが、個別のやり取りの詳細については相手方の関係もございますので、このばでお答えすることは差し控えたいと思います

嘉田
「ピック大使ご自身の方は、この離婚後の親権問題を議論したと言ってらっしゃるんですが、それはその通りだというご答弁はいただけますか。いかがですか」


「はい、今ほどご答弁した通りでございますが、共同親権制度についても意見交換をおこないました。」 

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