傍楽 - Kaori's Blog

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

人はなぜ寄付するのか ~「社会参加」から寄付による「アイデンティティの確立」へ~

昨日は、キフカッション・コレクション~寄付について語る、夏の夕べ~(日本財団CANPAN・NPOフォーラム)に参加してきました!ボランティアとして関わっているNPO法人パノラマが今月から毎月応援サポーターを始めまして、ファンドレイジング担当になったの…

NHKスペシャル “駅の子”の闘い ~語り始めた戦争孤児~を見て

NHKスペシャル“駅の子”の闘い ~語り始めた戦争孤児~を見た。 戦争の被災者で最も弱者である子どもたちが 駅で寝泊りし、「浮浪児」という蔑称で呼ばれ、とてつもなく大きな差別を受けていたという事実。誰ひとり「大丈夫?」と声をかけてくれる人はいなか…

目の前に倒れている人がいても助けられない心理

本当に毎日暑い。こうも暑いと当然のことながら、通勤ラッシュや帰宅途中に具合が悪くなる人を見かけるケースも増えてきたように思う。 私は倒れてる人(うずくまっている人)を見かけたら、声をかけるようにしている。 しかしながら、その前を通り過ぎてい…

TENOHASIの会報誌37号が届きました!~手厚い支援が必要な人ほど劣等処遇になっている~

路上生活者支援をしている「TENOHASI」の会報誌が届きました。 tenohasi.org 2018年総会報告として、炊き出しに並ぶ人数がやっと200人を切ったとの報告がありました。2005年から記録を取り始めてから、200人を切ったのは初めてとのことです。支援者の方々の…

「貧困という体験」が人に何をもたらすのか~他者に厳しい社会になった理由を考える~

他者に厳しい社会。弱者が弱者を叩く社会。これは、弱い社会の象徴である。まさに「分断社会」。しかし、彼らはなぜ叩くのか。それには、きっと理由がある。 先日の放送大学で聴いた神戸大学大学院の西澤 晃彦教授による「貧困と社会:貧困という体験~貧者…

「生産性」の発言について思うこと。

人間と向き合う時に使うのは不適切な言葉 杉田議員の「生産性が無い」という発言を聞いて、なんだかな~と思っていた時に、丁度茂木健一郎さんのブログを目にしました。 lineblog.me茂木さんが指摘されているように、「生産性」という言葉を人間と向き合う時…

「ホームレス」は路上に放置された障害者の問題~ハウジングファーストという逆転の発想から生まれた支援モデル~

今週は、ホームレス問題に取り組む「TENOHASI」代表理事の清野賢司さんのお話をお聞きする機会がありました。 tenohasi.org 清野さんは、都内中学校の社会科の教員をしながらTENOHASIの代表理事兼事務局長として活動されていましたが、昨年退職しTENOHASIの…

劣化する支援@東京に参加して考えたこと~代表理事の経営哲学が支援の質を左右する~

GW初日は、劣化する支援5@東京is burning!/批評の中間支援に参加。これは、一般社団法人officeドーナツトーク代表の田中さんが、以前より問題提起されているNPOの支援の劣化について議論する勉強会。田中さんのほかに、NPO法人パノラマ代表の石井さん、静岡…

【読書ノート】「男らしさ」の快楽―ポピュラー文化からみたその実態

ジェンダーが問題になってきている昨今、いわゆる「男らしさ」とは何かということを、問い直すべき時がきている。「男らしさ」には問題も多く、特に性の不平等を作り出してきたのは、ここにも大きな要因があると考えられている。 本書の特徴は、これまでは「…

【読書ノート】『安楽死を遂げるまで』 (宮下洋一著)

ジャーナリスト宮下洋一氏による安楽死の現場への取材。著者は自ら死を選んだ遺族や関係者を訪ねてスイス、オランダ、ベルギー、米国などへ足を運び取材をおこなうが、中でも、スイスの自殺幇助団体「ライフサークル」代表・プライシック氏の影響を大きく受…

若者支援は10代にもっと投資すべき①~NPO法人パノラマの高校内居場所カフェ事業「ぴっかりカフェ」の事例から~

本日は、昭島市議会みらいネットワーク会派主催の「第8回まちづくりシンポジウム 地域がつくる中高生の居場所〜校内居場所カフェ」に参加してきました。今月は、子ども・若者のサードプレイスを考えることを目的とした校内居場所カフェのイベント3つ目です。…

困難を抱えた若者のサードプレイス~西成高校にモーニングカフェがある意味~

今月7日は、大阪の一般社団法人officeドーナツトーク代表の田中俊英さんが地元立川で講演されるとのことで、職場からダッシュで駆け付けました。主催は立川青年会議所で、テーマは「大人も子供も繋がる場所~サードプレイスについて考えよう~」です。 ※offi…

【読書ノート】加害者家族 (幻冬舎新書) 鈴木 伸元

NHKディレクター鈴木伸元氏による加害者家族へのインタビュー。 加害者家族 (幻冬舎新書 す 4-2) 作者: 鈴木伸元 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2010/11/27 メディア: 新書 購入: 12人 クリック: 200回 この商品を含むブログ (27件) を見る 加害者家族を…

【読書ノート】卒業式まで死にません―女子高生南条あやの日記 (新潮文庫)

メンヘラ系ネットアイドルである著者の南条あやが、高校3年で自死するまでホームページに掲載していた公開日記(1998年~)の一部を掲載した本。 卒業式まで死にません―女子高生南条あやの日記 (新潮文庫) 作者: 南条あや 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: …

【読書ノート】まなざしの地獄  尽きなく生きることの社会学<見田宗介>

社会学者 見田宗介氏が、1969年に19歳の少年N・Nが起こした連続射殺事件(永山事件)に材を取り、1973年に発表した社会学的論考。 タイトルの「まなざしの地獄」とは、人を出身階層で差別する都市の社会構造を指す。 まなざしの地獄 作者: 見田宗介 出版社/…