友人の紹介で知ったのですが、とってもよい漫画でした。
主人公は外国人と日本人の親を持つ"ハーフ"(本書では敢えて"ハーフ"と表現)であり「2世」でもあります。(2世とは、外国から来た「第一世代」の親を持ち、その国で生まれ育った子どもを指します)
"ハーフ"であることも含め、思春期の子どもたちが日本で「2世」として生きるというのはどういうことなのかーー本作を通して、はっとさせられる場面が多くありました。
日本で「2世」として生きる子どもたち
外国に「ホーム」を持つ親と、日本を「ホーム」とする2世の子どもとでは、たとえ親子であっても立場が異なります。そのため親が子の気持ちを理解するのは難しく、そのことが親子関係ーー気持ちのすれ違いにも影響してくる。
さらには、親は日本語が苦手で母国の文化や価値観を持つ一方、子どもは日本語しか話せず、日本の文化の中で生まれ育つ。こうした言語や文化の違いも親子間のズレを生む大きな要因となっているのですね。
友達だけでなく、親にさえ自分の気持ちを理解してもらうのが難しい2世の子どもたち。その気持ちに思いを馳せると、やはり第三者としての理解者や支援者の存在が必要不可欠だと思いました。
日本で受け入れられるために「本当のことは言わない」
本作は、エリート・マイノリティとして生きる苦悩も上手く描かれていると思いました。印象的なシーンのひとつに、主人公が語る次のセリフがあります。
本当のことは言わない みんな本当のことは好かんけん
日本で受け入れられるために、自分の本音を言わず生きる。そのような現実が2世にはあるのかもしれません。
お互いを理解するためには、相手を傷つけるコミュニケーションがどうしても出てきてしまうものだと思います。でも、それを乗り越えないと本当の意味での理解には近づけない。多文化共生はきれいごとでは成り立たない。それが本作ではうまく表現されていると思いました。
わたしはどんだけマンダのこと傷つけてもふたりでいたいんだ
多文化共生を声高に掲げる社会に、その覚悟は本当にあるのでしょうか。
