傍楽 - Kaori's Blog

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

公益性が高い分野に企業が入ってくることについて

ZOZO前社長の前澤友作氏が昨年5月に立ち上げた『株式会社小さな一歩』(養育費取り立てサービスを事業)、前澤氏は早くも手を引いたというニュースを見た。この事業の行方は予想はしていましたが、こんなに早いとは...。

前澤氏がどうというよりも、気になったのが、公益性の高い分野に企業が参入してくるという最近の流れだ。先日も、地域で引きこもり支援を担う「地域若者サポートステーション」の委託先がNPOから企業に切り替わっているという動きがあった。 続きを読む

【延期】第2回 NPOのミッション・ドリフト研究会のお知らせ(5/8)「劣化する支援とNPO〜若者支援の事例からミッション・ドリフトを考える」

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★緊急事態宣言の発令により、延期とさせていただきます。日程わかり次第、ご連絡いたします★

第2回 NPOのミッション・ドリフト研究会を、5月8日(土)に開催します。

ミッション・ドリフトとは、組織の規模が拡大する過程で必然的に生じる「ミッションのずれや形骸化」を指します。ここに言及することで、日本のソーシャルセクターのレベルアップを目指すことを目的とした研究会になります。

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橋本崇載八段の告発(子の連れ去り)

人気棋士橋本崇載八段が、子どもの連れ去り、実子誘拐の被害者であると告発をされた。いよいよ、この問題が顕在化するフェーズにきたように思う。

橋本崇載八段は、子どもの連れ去りのショックにより、将棋連盟棋士として今後対局を続けるのはメンタル的に不可能だとおっしゃっている。

子どもを連れ去られた親御さんはメンタルを病んでしまい仕事を続けられなくなる人が多いことも、これを機にやっと理解されていくのだろう。

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親子の養育と「人格的利益」

 少し前ですが、古賀 礼子 弁護士の新母ラジオ聴かせていただきました。

新母ラジオ♪【単独親権は違憲】国家賠償請求訴訟の判決文25pを語ってみた!

anchor.fm

  テーマは、作花弁護士の単独親権違憲訴訟で親子の養育を「人格的利益」と判じたことについての解説。

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チルドレンファーストであるために、面会交流支援事業を無料化にしたという話を聞いて。

 先日、NPOウィーズ主催「どうする!?日本の親子関係〜なぜ、私は生まれたの?〜」に参加しました。ウィーズさんは面会交流支援をしている団体ですが、知人から薦められてメルマガを購読しており、こちらのイベントの開催を知りました。

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映画「Fukushima 50」

賛否両論あるという「Fukushima 50」を観た。

www.fukushima50.jp

東日本大震災の直後、私は福島から東京に避難したご家族のサポートをしたことがある。多くは母と子ども。父は福島で仕事を続けるという選択をされていたことが多かった。
家族は子どものことを考え、放射能のリスクがどれだけ高いのかわからない中、徹夜で情報収集をし、翌朝母と子で、着の身着のまま車で東京まで避難した。福島の自宅から車に乗るまでのわずかな時間も、放射能が怖くて泣きながら移動したと。東京に来ても一晩中泣いていたと。その時、ずっと背中を撫でていてくれたボランティアさんの存在がどれだけ大きかったかも。

こんな経験があるからか、この映画は当時のことを思い出させてくれた。
東日本大震災の半年後くらいに、クラウドファンディングをして、東京に避難している母子と東北へのバスツアーを企画した。当面お父さんと旅行に行くこともできないからと、バスツアーで福島でお父さんと合流し、家族旅行にもなったねと。旅館で子どもが舞台で踊り、みんなでワイワイお酌し合ったのが懐かしい。
その時、そのお母さんたちに言われてぐさっときたのが、「私たちを可哀そがらないで欲しい」という言葉だ。
その時私はそう思っていたのかもしれないし、きっと、そう思っていたのだと思う。

その時、一方的に支援するのではなく、お互い困った時は応援し合えるパートナーのような関係になりたい思ったことを強く覚えている。
これは、今でもボランティアに関わるうえで、私の大切な気づきになっている。
ふと、そんなことを思い出した映画だった。


※本題とはずれますが、原発に関わる危険なお仕事をされているのは全員男性でした。女性が「ガラスの天井」で苦しんでいる一方、男性は「ガラスの地下室」という問題があることを思い出しました。

※写真はトルコキキョウ。以前、福島の方が育てた素敵なトルコキキョウをいただいたことを思い出して。

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