傍楽 ~未来をつくる仕事をしよう~

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

チルドレンファーストであるために、面会交流支援事業を無料化にしたという話を聞いて。

 先日、NPOウィーズ主催「どうする!?日本の親子関係〜なぜ、私は生まれたの?〜」に参加しました。ウィーズさんは面会交流支援をしている団体ですが、知人から薦められてメルマガを購読しており、こちらのイベントの開催を知りました。

 

NPO法人ウィーズの活動内容 

イベントの構成は、ウィーズ理事長の光本さんからの活動報告と、HEAVENESE石井 希尚氏による基調講演との2部構成。私は面会交流支援団体の活動報告をお聴きするのは初めてだったので、今回は年次報告書の内容と光本さんのお話しからの気づきについて書きたいと思います。

ウィーズさんは、設立5年目なんですね。主なご活動内容は、以下になるようです。

  • 面会交流支援事業(前年度より無料化)
  • 子どもを対象としたLINE相談事業
  • 離婚経験のある親子を対象とした法教育プログラム普及事業
  • 面会交流や養育費支払い促進などの啓発事業

親が離婚した子どもへの支援がメインのようですが、LINE相談事業では両親の離婚に限らず、コロナ禍で家庭で安心して暮らせない子どもへの支援もされているようです。

ちなみに、ビジョンとミッションは何だろう?見てみると、以下のように書かれていました。

ビジョン「ひとりひとりが価値ある自分を信じられる社会に」

ミッション「子どもも親もエンパワー」

 

「面会交流支援」とは何か

 「面会交流支援」って、なんだか聞きなれない言葉ですよね。

親の離婚後に、離れて暮らす親(別居親)と子どもが交流することを法律用語で「面会交流」というんですね。しかしながら、離婚した元夫婦はお互いに負の感情を持っていることが多いため、この面会交流はなかなかスムーズに進まないと言われます。

「面会交流支援」とは、そういった元夫婦の間に入り、代わりに連絡のやり取りをしたり、顔を合わせなくてすむように子どもの送迎をしたりする支援なんですね。

これだけ聞くと、事務的な手続きを代理でやるだけの役割に思えるかもしれませんが、光本さんの以下の言葉に深く頷いてしまいました。

「面会交流支援」とは、両親がお互いへの怒りや憎しみとか、そういったものを手放すまでの間、両親の争いを子どもに見せずに、子供に寄り添いながら、親子の心を守っていくお手伝い

 ウィーズさんのビジョン、ミッションともつながります。

 また、驚いたのが、ウィーズさんはこの事業を昨年度から無料化にしているそうです。

しかし、団体設立時から、「料金をいただいて支援する」ことに違和感がありました。なぜならそのお金は「子どものために」使っていただきたいと思ったからです。

また、ウィーズは当初から親の味方はしない、あくまで両親に対しては「中立」であることを守ってきましたが、一方でお金を払っているのだから、自分達は「顧客」であり、「支援はやって当然」「要望は聞き入れて当たり前」という親御さんが残念ながら多くいらっしゃいました。

こういったことから、支援料をいただくことは、ウィーズが最もウィーズらしい「子どものための支援」をさせていただくうえで、「障壁」となるものでした。(「第5期年次報告書」より)

経済的余裕の無い人のためになのかと思いましたが(勿論それもあると思いますが)、チルドレンファーストであるために無料化にされたというのが素晴らしいと思いました。

 

日本の子どものアイデンティティ・クライシス

 さて、今回のイベントのメインテーマである「どうする!?日本の親子関係〜なぜ、私は生まれたの?〜」の大きな要素である日本の子どものアイデンティティ・クライシスの問題についてですが、両親の離婚が、子どものアイデンティティ形成にどう影響してくるのでしょうか。

 両親の離婚は、(環境によっては)子ども自身の存在意義の崩壊になり得ると光本さんは言います。
子どもにとって両親というのは絶対的な存在であり、誰だって両親が愛し合って自分が生まれたと思いたいはずである中、離婚はやむを得ないとしても、親同士の悪口や人格否定は、その血を受け継いでいる自分も否定されているような気持ちにさせると。子ども自身が、なぜ自分は生まれてきたのだろうと考えてしまうのですね。

 また、今回のイベントで流れた動画も見ていて辛いものでした。別居親との初めての面会交流の日に、子どもが行きたくないと泣き叫ぶものでした。

その背景には、子どもながらに同居親は別居親のことを嫌っているのを知っているということがあったようです。普段、同居親が別居親を子どもの前で否定する。でも、面会交流の日だけは、「行っておいで」というわけですよね。この矛盾と大人の都合に子どもは傷つき、会いたくないと思うようになってもおかしくないと思いました。

 その後、この子は別居親のことを「鬼みたい」などと口にするようになったようです。

別居親を否定して生きていく子どもの先にあるものは?
「なぜ僕は生まれたの?」将来そう聞かれた時に、どう答えることができるでしょうか。どうしたら、夫婦間の(負の)関係が、次世代に影響しないようにできるか。(中略)お金や物資だけでは救えない親子が日本にはたくさんいます。(光本さん)

 この同居親さんは、その後カウンセリングを受けるようになったそうですが、状況が良くなっていることを心より願います。

 今回のイベントでは、色々と勉強させていただきました!ウィーズさんのご活動、応援させていただきます😊

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