旅先からの電車の中で読み切ってしまいました。
洗脳とはこういうことなのかというのがリアルにわかる。
ホームオブハート団体代表と幹部である元妻のタッグによるマインドコントロールと心身に対しての暴力による支配が12年も続いていたのですね。そして10億以上の収奪。マインドコントロールがとけたとき、その主犯格の相棒が自分のパートナーだと悟った時の心情は計り知れないものがあるとおもいます。
本書のあとがきは最近メディアで注目されている紀藤弁護士で、以下のような文章がありました。
「洗脳事件は交通事故のようなもの」と私が指摘する根拠もここにあります。つまり、カルトの加害者と被害者が出会っても、そのとき被害者になる人が悩みを抱えていて精神的に不安定な状況でなければ、深入りする危険性はほとんどなかったと言えると思います。
弱った人に善意の顔で近づき利用し、徹底的に搾り取るという行為をしても、主犯の二人は今も逮捕されていなく、団体名を変えて活動をしている。そんなこと、許されるのですね。
紀藤弁護士はToshiさんのメディア報道から当事者から相談が相次いだようで、Toshiさんが団体と決別後協力して活動されているようです。
本書の中でもお二人が触れていましたが、この団体の共同生活の中には子どももいて、ダンボールの中に入れられていたとか、学校には行かせてもらえないとか深刻な児童虐待の環境もあったようで、その子たちがその後どうなっているのか、とても心配に思います。そして、有効な対策も見いだせていない。子どもの権利とは、、と考えてしまいました。