傍楽 ~未来をつくる仕事をしよう~

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

【書き起こし】参議院法務委員会 嘉田由紀子議員による「子の連れ去り問題」に対する諸外国の反応について

3/24(火)参議院法務委員会において、嘉田由紀子議員による質問、日本の子の連れ去り問題に対する諸外国の反応等についての音声書き起こしです。
 
嘉田由紀子議員
「2018年5月15日に、在フランス日本大使館日弁連が共催でハーグ条約についてのセミナーをフランスに在住する日本人 の母親に対して、パリで開催をしています。日弁連と共催で当該セミナーを開催するということに至った経緯はどのようなものか、どちらから働きかけたのか、またそのセミナーの狙いは何か、またこのセミナーは狙いを達したと判断できるかどうか。」


 
外務省 山中参事官
「外務省ではハーグ条約の原則や手続き、これに基づき、子どもの連れ去り問題に関して受けられる援助などについて、より多くの方々の正しい理解を促進し、子どもの連れ去りを未然に防止することを目的として幅広い広報活動を実施しております。こういった広報活動含め、ハーグ条約の知見を有する弁護士等の関係者の方々とは日頃から連携をしております。ご指摘の2018年5月のパリにおいて外務省および日本弁護士連合会が共催したセミナーもこのような目的のもと広報活動の一環として実施したものでございます」
 
嘉田由紀子議員
「このセミナーの狙いはお話くださいましたけど、狙いは達したと判断できるでしょうか。いかがでしょうか」
 
外務省 山中参事官
「先程申し上げたような目的のもとで、このセミナーを広報活動の一環として実施したものでございまして、主催者の我々としてはこうした目的が達成されたものと期待しております」
 
嘉田由紀子議員
「目的が達成されたというご評価を、しかと、ここで確認させていただきました。このセミナーの話を直接私テープでしっかりきかせていただきました。特に、日弁連から派遣されたハーグ条約担当の弁護士さんが30分講演をされております。日本人の母親約70人が参加していたようですけども、そのテープの音声記録と文字起こし記録を入手してみてみますと、逆にですね、ハーグ条約は連れ去りを未然に防ぐそして面会交流をすすめるようにと、いわば、両親がフレンドリーに共同養育にはいれるようにということを狙いとしているわけですけれども、実は、このテープ起こしを一字一句、三度ほど読ませていただきましたけれども、ここでは、逆にハーグ条約の適用を受けずに希望通りに日本に子どもの連れ去りをするにはどうしたらいいかの、というようなことが行間に滲んでおりまして、私自身は大変驚きました。こういうことが、在外公館で、しかも、元の居住国へ返還することを義務付けているのに、その義務を逃れるための様々なノウハウを伝授しているように思えてなりません。中には、夫のDVの証拠を警察からとって自分の医療診断をとりDVシェルターに逃げ込んだ記録もとって、日本に持ち帰るように、子どもと一緒にということの指南もしております。これは、ある意味で日本国内でも、連れ去り指南をなさる弁護士さんもいるということも伺っておりますけども、そういうやり方と大変似通っているのではないかということで、外務省さんがこの内容を評価すると、あるいは広報活動として成果が上がったとお考えになるのだとしたら、外務省さん、それでよろしいんでしょうかと。」
 
外務省 山中参事官
「ハーグ 条約は国境を越えた不法な子どもの連れ去り等が発生した場合には、原則として、子をもとの居住国へ返還することを義務づけております。同時に、同条約は一定の要件のもと、限定的に子を返還する義務を負わないことも定めております。
ご指摘いただきましたセミナーにおきましては、このような点を含め、外務省および日本弁護士連合会からハーグ条約の原則や手続き等ついて説明をおこなったものであります。その時の議事録は持ち合わせておりませんけども、今ご指摘いただきました、その講師の弁護士の方の見解として、我が国の裁判所において考慮されることがある、例外的な返還拒否事由を説明したものと承知しております。その上で、講師の弁護士の方が、我が国の裁判所は簡単には返還拒否事由を認めていないとして、子どもを連れた安易な帰国は避けるべきとの趣旨の説明をしたと理解しております。
これらを踏まえまして、この講師の方のご説明は、ご指摘のような指南をしたものではないというように理解をしております。
外務省といたしましては、ハーグ条約についての正しい理解を促進し、子の連れ去りを未然に防止することを目的としまして、今後もしっかりと広報活動につとめていくという考えでございます。
 
嘉田由紀子議員
「そもそも、離婚のあとも父と母はフレンドリーに争わずに出来るだけ子どもの最善の利益をということが、共同養育・共同親権の背景にある哲学であり、理念でございますので、ハーグ条約のバックも、それがあって2011年から2014年、本当に3年も4年も議論いただいたと伺っておりますけれど、その中央当局として、外務省さんが今後子どもの真の利益のために国際的な活動の中心を担っていただけたら幸いでございます。できましたら次回はこのハーグ条約によって、どういう風に救われた子どもがいるのかというようなこともお教えいただけたら幸いでございます。」
 
「類似のことで実は欧州議会でも、今年の2月19日の請願委員会では、ドイツ・イタリア・フランスの請願者によって日本人による実子誘拐が議題となり、委員からは日本に対して具体的な行動を求める意見がでております。具体的措置としましては、請願者からは、日EU戦略的パートナーシップ協定、これ43条ございますけれども、それを停止するということや、あるいは日本人のEU域内への渡航におけるビザ免除の取り消しなどが提案されたと伺っておりますが、政府はこうした事実を把握していますでしょうか」
 
外務省 河津参事官
「今ご指摘いただきました2月19日の欧州議会/請願委員会において、ご指摘の議論がございました。請願者が、SPA(日EU戦略的パートナーシップ協定)の停止とか、日本人への査証免除取り消しに言及したという風に承知をしております。これを受けまして、請願委員会におきましては、同日、日本でのEU市民の子どもの連れ去り等に関する本会議決議案を作成する等の方針を了承し、その件が3月9日から12日までの本会議で審議予定であったというように承知をしておりますけれども、これまでのところ、欧州議会 本会議において、本件は取り上げられていないと、このように承知をしております。」
 
嘉田由紀子議員
欧州議会もコロナの問題で日程が短縮されたということを私も伺っております。また、同じ日の請願委員会では採択提案されておりますけれども、今後、それこそ欧州議会議員や請願者の国に対して外務省さんとしてはどのような対応をしていかれるのでしょうか。」
 
外務省 河津参事官
「我が国といたしましては、EUの関係者に対しまして、我が国の関連する法令でござますとかあるいは制度、こういったことについて説明をしてきているところでございまして、これを継続していく、このようなかたちで適切に対応してまいりたいと考えております」
 
嘉田由紀子議員
「実はフランス上院でも決議案が出されたということで、2020年2月5日です。日本における子の連れ去り問題に関する決議案が採択され、そして、次のような意見がフランス上院ではございました。日本は特に民主主義、法の支配、人権、基本的自由を促進することを目的とする日EU戦略的パートナーシップ協定を尊重していない、さきほど、申し上げましたこの43条です。それから、ヨーロッパの大使たちは何度も何度も日本政府当局、安倍総理、そして法務大臣に要請したが、結果が出ていないと。このような決議がフランス上院でなされていることは海外から我が国の家族法制に大きな問題があると思われているあらわれではないかと思います。」
 
「あと、同じく今年の1月21日にオーストラリア大使が法務省を訪問して、離婚後の子の養育のあり方に対して議論をしたと伺っております。私がオーストラリア大使館から伺ったところ、オーストラリア大使館では裁判所の命令に基づく面会は最大でも1月に1回が多いうえ、執行力を持たずほとんどの場合面会が実現していないと。このような場合、オーストラリア人の親は、いくら子どもに接触したくても全くできないか、あるいは接触の機会が非常に限られるのが現状だと認識しています。そのような中、先ほどのフランスの上院あるいはEU、オーストラリア大使館から、いろいろ国際的に観られている中で、家族法研究会はどのようなスケジュールで検討していただけるのでしょうか。」
 
法務大臣
「委員ご指摘のように、我が国の家族法には海外にも様々なご意見があると承知をしております。さまざまな主張の中に、例えば、子を取り返すための法的手続きが無いなどといった誤解に基づくご主張等もございますので、それについては我が国の法制度について正確な理解を得られるように引き続き適切な周知・説明等をおこなって参りたいと思います。また、ご質問の家族法研究会でございますけれども、海外のご意見そして我が国の中でも様々なご意見がありますので、これらの意見を参考にしながら検討をされているものと承知をしております。こちらの主催は公益社団法人商事法務研究会でございますが、その家族法研究会に法務省としても担当者を派遣しております。現在多岐にわたる論点の整理がおこなわれており、今後のスケジュールは未定というふうに伺っておりますが、私としては、毎回申し上げておりますが、父母が離婚した場合の子どもの養育の問題は子どもの権利に関する問題でございますので子どもの視点からしっかり議論する、そして、早期に充実したとりまとめができるように法務省の担当者に積極的に議論に加わるように指示をしているところでございます」
 
嘉田由紀子議員
「子どもは本当にすぐに成長します。一日も早くお願いしたいと思います。」
「最後、家庭裁判所についてですね、最高裁判所にお伺いしたいのですが、オーストラリア大使館から日本の主権に配慮しながらも、家庭裁判所について、4点要望がございました。
 

1.  面会時間の下限を拡大する
2.  裁判所が接触について執行権をもてるようにする
3.  裁判所に子どもの状態をチェックできる権限を与える
4.  裁判所に手紙やスカイプなど親子間での接触を推進するよう促す

 
ということでございます。ここについて、最高裁判所のご意見をお伺いしたいとおもいます」
 
手嶋最高裁家庭局長
「今4点ご要望についてご指摘いただきましたが、1点目・2点目につきましては制度のあり方に関わる事項のように理解しておりまして、この点につきましては最高裁判所としましてはお答えする立場にはございませんが、最高裁判所としても、家族法研究会における議論の推移を注視して参りたいと思います。3点目で、子どもの状況等の把握という点についてのご指摘があったかと思いますが、面会交流時限において、子どもの状況を把握することが重要であることはご指摘の通りでございまして、面会交流次元における現在の家庭裁判所の一般的な運用としても家庭裁判所調査官が心理学・教育学等の行動科学の専門的知見および技法を用いて事実の調査をおこなうなどの方法を活用いたしまして、子どもの状況や意思・意向・心情を把握するよう努めていると承知しております。また、次のスカイプ等の利用による交流についてのご指摘でございますが、面会交流権におきましては、事案に応じて適切な交流方法が検討されておりまして、父母が遠隔地に居住している場合など手紙やスカイプなどのインターネットテレビ電話を活用した交流が有効であるという事案につきましては、そのような交流をとりきめる事案もあるものだと承知しております。 今後もより一層、子の利益に叶う交流が実現されるよう最高裁判所における取り組みを引き続き支援してまいりたいと考えております」
 

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