傍楽 - Kaori's Blog

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

【映画】フリークス(怪物圑)トッド・ブラウニング監督

イギリスで公開されてすぐに上映禁止され、30年間もの間上映禁止となっていた、トッド・ブラウニング監督のフリークス(怪物圑)が、アマゾンプライムで観れるようになっていました。60分なので、ぜひ観てみてください。 

 この映画の特徴で、おそらく問題となった点は以下であると思われます。

・登場人物の大半は実際に障害を持っていて、見世物小屋の芸人として出演している
・障害者VS健常者となっており、健常者が障害者を差別・嫌悪する悪人として描かれている
・障害を持つ人たちが健常者に対して恨みを持ち、一致団結して残虐な復讐をする

上映禁止となったというのだから、監督が障害者に対して差別的に撮影しているのかというと、この映画からはそういったものは感じられず、むしろ彼らへの愛情を感じる内容でした。この映画の中では、障害をもった方々が健常者の助けを借りず、自然と助け合いながら障害と共に暮らしている様子が描かれています。
それぞれの個性を感じられ、ユーモアもある普通の一人の人間として描かれていました。うまく言えませんが、24時間テレビのように障害を持っていることが美化されているわけでもなく、本当にそのままで描かれているのです。
 
監督は若かった頃にサーカスの巡業に参加しており、そこでの経験がこの映画になっているようです。当時は、障害をもった方を支援するような人権団体もなく、差別もひどかったでしょうし、障害をもった方が活躍し収入を得る手段が少なかったのであろうと思われます。
 
この映画により、監督は映画界からはいなくなってしまったようで、残念です。
こういう映画はもう生まれないでしょうね~。