傍楽 ~未来をつくる仕事をしよう~

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

避難所のダイバーシティ運営のむつかしさ~難民支援の視点から~

文化放送「防災アワー」で、難民支援協会の鶴木さんのラジオを聴きました。「なるほど」と思ったのは、難民と被災者には共通している課題が多いということです。避難している被災者もまた「危険から逃げ避難している人」なんですね。難民支援のご経験は、被災者の中でも弱い立場の方に特に必要なのだと感じました。

鶴木さんは熊本地震の時に支援が行き届いていない地域で、避難所の立ち上げをされた
そうです。避難所というのは、弱者の視点がなかなか取り込まれていないものです。さらに、みんなが余裕がない状況では、少しのことでも周りはいらっとします。子どもの声に「チッ」という舌打ちをする人がいることなどは想像に難しくないです。

子どもだけでなく、パニック障害発達障害認知症の方々などは、いきなり集団生活になってパニックになってしまうこともあると思いますが、これはご本人だけでなくご家族も疲弊してしまいます。

個別対応が必要だと思いますが、通常の避難所運営の中には、こういった配慮は乏しいと思われます。少なくとも、妊娠・授乳中の女性、子ども、高齢者、障害者、LGBTの方々などは、集団生活のストレスを人より強く受けると思います。
そこで、鶴木さんは避難所に別室をつくったそうです。ただ、誰でも別室に行きたいというのもあります。

また、外国人の被災者への炊き出しとして、宗教の問題により豚肉が食べられない方もいるので、豚肉だけでなくアレルギー食材を除いたものを出されたそうです。ただ、とん汁は日本人の定番でもあるため、楽しみにしている方も多かったそうです。

ここで、「不公平だ」という声が出てくることもあるわけですが、鶴木さんが

「下駄をはかせないと、同じ支援にたどりつけない人たちがいる。その下駄をはかせるのは不公平とは違う」

という趣旨のことをおっしゃっていました。
下駄をはかせるというのは、一般人より手厚いサポートがあることを指されているのだと思いますが、そうしないと避難所の中で尊厳すら守られない人々もいて、その最低限の部分を守ることは不公平とは違うわけなんですよね。
ただ、これを、災害時の殺伐とした空気の中で説得するのは、本当に苦労が多いだろうなあと思いました。