タイトルにひかず、読んで欲しい一冊。作家の永田カビさんのご自身の経験を漫画にしたもの。
彼女が本当に求めていたものは、支援者にもカウンセラーにも出来ないということが、とても分かりやすく描かれている。単純にいうと、母親のように自分を無条件に抱きしめてくれる人がほしいということだ。
そして、彼女が初めて、親の期待に応えるためでなく自分のために行動した(自分を大切にした)エピソードが、この「さびしすぎてレズ風俗に行きました」なのだ。
彼女は、過去に摂食障害、過食症、リストカット、親との依存、引きこもり、コミュニケーション障害、などを経験している。その背景には家族が期待するレールと自分とのGAP。そして家族から得られなかったものを「何があっても自分を認めてくれる居場所」として会社に求めるようになった。しかし、会社は働けなくなった人には厳しい。
彼女は自分を「抱きしめてくれる人」を探し続けるが、それはお金があっても得られないことでもあることを悟る。普遍的な母親像を求めるところがこのレズ風俗につながる。
「19歳の頃、レジの中から、もう誰でもいい、2秒でも1秒でもいいから抱きしめてほしいと思っていた」
親の期待を軸に生きていた彼女で始まったストーリーが、最後は何というセリフでこの本を締めくくるか、ぜひ、ご想像ください!