傍楽 ~未来をつくる仕事をしよう~

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

【読書ノート】となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS 織田 朝日 (著)

本書は、15年間日本で外国人支援(主に品川と牛久の施設に収容されている人)をボランティアでおこなってきた織田氏による支援の内容が記載されています。

 昨今問題になっている、入管での外国人の長期収容問題。この問題で子どもにスポットがあたることはあまり無かったように思いますが、本書は日本で育った子どもについて書かれている点が特徴です。

大人になったら収容される子どもたち

本書では、トルコでの民族差別を恐れて、6歳の時に家族で日本に逃げてきたクルド人親子が紹介されています。難民認定されない親子、そして、子どもはそのままの状態で大人になります。ここで紹介されているクルド人女性も、普通に日本の学校で育ち高校へ進学。成績も良く、将来に希望をもっていました。でも、手続きに訪れた入管で

「高校行っても、仮放免のあなたには意味がない

という心ない言葉にショックを受け(卒業しても働けないんだから無駄だという意味)その後高校を中退してしまいます。また、パニック障害も発症してしまいます。

  • 保険証も持っていない
  • 大人になっても就労が許されない。
  • いつ収容されてもおかしくなく

という状態で育つということが、どういうことか、私には想像がつきません。

実際に彼女は大人になって、突然入管へ収容されてしまいます。収容された理由は教えてもらえず、いつ出られるかもわかりません。また、パニック障害の薬の持ち込みも認められないず、病気は悪化し自傷行為にまで至ってしまいます。

難民申請者を巡る動き

日本政府の難民申請者への対応は、とても厳しいと感じます。ここで書かれていたこととしては、以下のようなものがありました。

  • 2004年に日本政府が難民申請をしているクルド人の情報をトルコ政府にもらしてしまうという事件。迫害する恐れがある国家に難民の情報を公開してしまったことにより、ますます帰国が不可能となる。
  • 2016年頃から、ビザのない難民申請者の収容と難民申請者がもつ半年間の「特定活動」を取り上げて収容するというケースが増えてきた。
  • 引っ越したときの住所変更手続きの遅れや、となりの県に許可なく移動したなど、ささいなことでも違反とみなし、問答無用に収容していった

また、以下のような記事も見つけました。

www.nikkei.com

ちなみに入管の施設は、以下のような制限があるようです

  • 通信の自由・医療を受ける権利が制限されている
    電話は公衆電話のみ。KDDIの高いテレカを購入しないと利用できない。
  • 十分な医療を受けられていない
    薬の持ち込み(持病の薬すらも)ができない。病気になっても適切な医療を受けられない

こんなことが本当に日本で起きていることもショックですが、入管以外の人が協力出来ることがほとんど無いという現実が深刻だと思います。 

となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS

となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS