傍楽 - Kaori's Blog

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

【読書ノート】ひとりで生きていく [ ヒロシ ]

ゆるキャン初心者として、ソロキャンプYouTuberのヒロシからは勉強させていただいております。思わず、買ってしまいました。 

 本書は、強固な人間関係を構築できない(結果構築しないという意思になった)ヒロシが、絶望せずにいられた彼の人生の振り返りと、今はひとりで生きていくことを自信をもって肯定できるようになったその理由が書かれています。

人はストロングタイズ(家族など強固なつながり)なく、ウイークタイズ(サードプレイスなどゆるいつながり)だけでも幸せに生きていくことができるのか、人によるものなのか、私にはまだわかりません。

ただ、ヒロシのいうように、強固な人間関係は、時に理不尽な結末になることもあり、それに苦しめられてきた人にとっては、もうそこに「期待したくない」となる気持ちもわかる気がします。

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【読書ノート】さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ 《永田カビ》

タイトルにひかず、読んで欲しい一冊。作家の永田カビさんのご自身の経験を漫画にしたもの。 

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

 

 彼女が本当に求めていたものは、支援者にもカウンセラーにも出来ないということが、とても分かりやすく描かれている。単純にいうと、母親のように自分を無条件に抱きしめてくれる人がほしいということだ。

そして、彼女が初めて、親の期待に応えるためでなく自分のために行動した(自分を大切にした)エピソードが、この「さびしすぎてレズ風俗に行きました」なのだ。

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学生限定アプリ「ひま部」のサービス終了におもうこと。

 児童被害の温床になっていた学生限定アプリ「ひま部」が今年一杯でサービス終了に。

ひま部のアルパカブログ — サービス終了のお知らせ

 しかしながら、児童が性被害などに遭ってしまうそもそもの大きな原因は、SNSに依存せざるを得ない彼らが抱える困難や孤立があるわけで、「ひま部」がなくなったからといってこの問題が解決するわけではない。もしかしたら、他のSNSに流れるだけかもしれない。

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「居場所カフェ」は学校の中にあるセーフティーネット ~居場所カフェが教育を変えていく@大阪③

高校内居場所カフェの生みの親、一般社団法人 office ドーナツトーク 辻田梨紗さんのお話から

  • 感想
  • 講演内容レポート
    • ドイツへ視察
    • hsg(基幹学校)にあった「カフェ」との出逢い
    • 帰国後、大阪で居場所カフェを開始
    • 居場所カフェで出会った子ども達
    • 居場所カフェの強みとは何か

 

感想

高校中退率ワースト1が大阪だったことに衝撃を受け、高校内にセーフティーネットをつくれないかと考え、ドイツの基幹学校内にあったカフェを参考に西成高校内に居場所カフェをつくった辻田さん。そこで出逢った子どもたちは、家庭に問題を抱えているだけでなく、自分の発言を聞いてもらえない環境、レールを外れたら(留年、中退)、未成年なのに自己責任のもと学校から排除される仕組みの中で生きている子たちだった。本当に過酷なぎりぎりの状況で生きている子たちの複雑な気持ちに寄り添おうとする気持ちが強く伝わってきた。

子どもたちに人気の「カフェ」という形態は、個別相談室と異なり通うことへの偏見が無いため、子どもたちもスティグマを気にせず立ち寄れる。また、スタッフ側も自然と話しかけやすいのでソーシャルワークに繋げることができるというのが居場所カフェの強味。その他にもカフェ×ソーシャルワークの強みを改めて知ることができた。

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 つぶやきを相談に変える「となりカフェ」。排除しない学校を目指す大阪府立西成高校~居場所カフェが教育を変えていく@大阪②

 日本で初めて高校内居場所カフェを導入した大阪府立西成高校 山田勝治校長

  •  日本で初めて高校内居場所カフェを導入した大阪府立西成高校 山田勝治校長
    • 感想
    • 講演レポート
      • そもそも「学校」とは何か?
      • 「となりカフェ」が学校内にある意義
      • 居場所カフェは教員と生徒の関係を変える

 

感想

 多様な子どもを受け入れる学校には、その学校にマッチした「アプリ」のインストールが必要であり、そのひとつが学校と外部との連携だということを知った。その成功事例が、大阪府立西成高校とofficeドーナツトークが連携した高校内居場所カフェ事業「となりカフェ」。

となりカフェの強みは【つぶやきを相談に変える】ことができる点。

SOSを出しにくい(言語化しにくい/相談しにくい)生徒は、相談はできなくても、つぶやいている。この「つぶやき」を相談に変えることができるのが高校内居場所カフェの一番の強みである。これは、サードプレイスである「となりカフェ」がセカンドプレイスである「学校」の中にあることの優位性を示しているとも言える。

西成高校の取り組みのエッセンスは

  • 高校を辞めさせない
  • インクルーシブ教育

であり排除しないということを大事にされている。

この2つをさらに進めていくには、高校がこれまで置き去りにしていた 「子どもの声を聞く」ということを真剣にやっていかなくてはいけないというお話からも、officeドーナツトークとの連携に効果を感じられているのだと思った。 

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子どもの声を聞く場としての「高校内居場所カフェ」~居場所カフェが教育を変えていく@大阪①

日本大学 末冨芳教授の基調講演「たのしい学校じゃダメですか?」

  • 日本大学 末冨芳教授の基調講演「たのしい学校じゃダメですか?」
    • 日本初の高校内居場所カフェ
    • 子どもの声を聞く場としての「居場所カフェ」
    • 変わらなくてはいけないのは「大人」

 

日本初の高校内居場所カフェ

 10月20日、居場所カフェが教育を変えていく@大阪 『学校居場所カフェ』出版記念 に参加してきました!じわじわと全国に広がっている高校内居場所カフェですが、日本初の高校内居場所カフェは大阪のofficeドーナツトークと西成高校との連携から始まりました。

高校内居場所カフェの役割には、これまで色々考えてきましたが、改めて思ったことは

学校の外ではなく中に、子どもの声を聞く「権力の及ばぬ居場所」をつくった、というのがイノベーション

なのだと思いました。

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子どもの権利条約

今日は、所属している子ども支援団体の必須研修で、子どもの権利条約について学びました。

子どもの権利条約ネットワーク(NCRC)

子どもの「意思表明権」は、子どもが言語で表明することだけでなく、Feelingも含まれているというのが一つのポイントだと思いました。これは、赤ちゃんの0歳にも保障されているということ。つまり、私たちは子どもの言葉に出来ない意思をもっと想像しないといけない。赤ちゃんが泣いているのもぐずっているのも意思表明であり、その権利があると捉えると、また見方が変わってきます。

ワークショップでは、ある写真をみて、その子の「欲しいもの」「したいこと」「してほしいこと」「してほしくないこと」を想像し、この似たような問いの中にも重なるものと重ならないものがあることを知り、子どもの声を聞くには、この問いかけの違いについて知っておく必要があることを学びました。

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