傍楽 ~未来をつくる仕事をしよう~

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

「新自由主義と子ども②〜新自由主義的発想とは?」に参加しました!

 先日参加した勉強会「新自由主義と子ども②〜新自由主義的発想とは?」をまとめました。講師は、officeドーナツトーク田中さんと神戸フリースクール竹林さん。こちらのまとめは、私のバイアスが入っていることを前提としてお読みいただければと思います。

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新自由主義とは

 新自由主義とは、社会の問題を市場(経済)で解決しようという考えです。実は、今の私たちの生活の中に知らず知らずのうちに入ってきていて、油断をすると取り込まれてしまうという話がありましたが、私もそう考えます。だから、普段から意識しなくてはならないと。自分では新自由主義的発想になっているとは気づけないことも少なくないのだと思います。それぐらい、身近になっているのですね。

では、今回の本題である、子どもを支援するNPO新自由主義との関係について考えていきます。

新自由主義と学校教育

 まず、今回の本題である「学校教育(授業)」について。
新自由主義の学校教育(授業)では、学校のカリキュラムが選択式になってくるという話がありました。これは、教育(授業)が個人のためのサービスとして提供されるようになるということであり、子どもはサービスの受益者になるので授業が商品化します。

新しい生活様式は、よりこの傾向が強くなるような気がします。教育系企業などが競って参入してきますね。これは、教育がどんどん個人の責任になっていくという指摘がありました。新しい生活様式における子どもの教育とは、ネットを使って企業が提供する教育コンテンツを使いこなせということなのか?という意見もありました。

 その中でフリースクールの立ち位置はどこにあるのでしょうか。
神戸フリースクールは教育系企業とは、そもそも価値観・立ち位置が違います。
教育系企業は、子どものニーズではなく文科省教育委員会のニーズを重視します。従って、当然親御さんからの受けも良いようです。
フリースクールは逆で、文科省の管轄外で子どもの学びを研究しています。これは、民間企業にはできないことでしょう。でも、子どもを一番に考えているので親が求めているものとは異なり受けが良いとは言えないのかもしれません。また、フリースクールの課題は、上記の状況から施策が行政に反映されにくいこと、また反映されるとしても時間がかかることだという指摘もありました。

新自由主義NPOフリースクールを運営するとどうなるでしょうか。政府寄りになり、政府に対する批判的なスタンスやオルタナティブを提示するという体制はは弱体化していくと予想されます。

子どもが病気になった時に休める社会にしたいか

 別の事例として、子どもが病気になった時の対応について議論がありました。子どもが病気になった時に、

①会社を休んで子どもを看病することができる社会
②子どもを病児保育に預けて出勤する社会

私たちはどちらの社会で暮らしたいでしょうか。
本来は①が家族として自然だと思いますが、それを諦めてしまってはいないでしょうか。①ができず②にせざるを得ないというのは、子どもよりも企業(あるいは企業で働く人)の都合に合わせてしまっているのであって、それを下支えしているのが病児保育NPOだという側面もあるという意見もありました。もちろん、①を目指すための過程としての②は必要でありますし、今の日本社会は子どもの看病で会社を休みづらい状況であるのは確かなので病児保育は働く親御さんにとって必要だと考えます。ただ、その先の議論をもっと私たちはするべきではないでしょうか。もっと成熟した社会像について。個人的には病児保育がなくなる(なくなっても困らない)のが理想の社会なのかもしれないと思います。

海外の動向

 海外の動きはどうなっているのでしょうか。お話によると、新自由主義を取り入れてきた国は失敗しているケースが多く、民営化→公共サービスの再構築・再公営化の動きがあるそうです。世界では新自由主義が上手くいかなくなっている中、日本ではこれから拡大しようしているのですね。(以下参考テキスト)

www.tni.org

 海外での代表的な失敗例が水道のようです。世界は「水道」というハード面に新自由主義が蔓延しているようですが、日本ではソフト面の「対人支援」に入ってきていることが特徴のようです。
日本は「対人支援」という新自由主義が馴染まないであろう分野に新自由主義をとりいれようとしているのですね。子ども若者分野に新自由主義が入ってきていることについて、日本は学者・アカデミズムがもっと批判するべきではないかという意見がありました。

また、保育園の民営化も失敗の傾向にあるそうです。確かに、保育園が事業として成り立たなくなって地域から撤退してしまったら、本当に困ってしまいますよね。

 最後に、ここ数年話題のベーシックインカムですが、ここも新自由主義の文脈でも語られることがあるそうです。一般的に言われているのは、福祉的な観点やAI社会で現れる公的扶助ですが、それとは別に、新自由主義としての公的扶助の効率化があるようです。これは知らなかったので、少し驚きでした。

②小さな政府・生産性向上

政府による経済や社会への関与を極力減らそうとする立場、いわゆる小さい政府の立場から主張する人々じゃ。現在の社会保障制度には無駄が多いとされる。例えば給付型の社会保障を考えると、年金、失業給付、生活保護、児童手当など多数あってそれぞれが別々に管理運用されておる。これでは管理のために多くのコストが割かれて、国民に再分配される金額が減ってしまう。また生活保護は補足率が非常に低く、本来は保護を受けられる人が受けられなかったり、不正受給の問題も生じる。そこでそれらをベーシックインカムの形に一本化することで行政コストを削減しつつ支給額も増やそうとする考え方じゃ。小さい政府を主張する人々は新自由主義者であるとも言われる。新自由主義を主張する人々は現在の資本主義経済の信奉者でもあって、市場原理を重視し、企業の立場にも近い。(立場で異なるベーシックインカムの考え - ネコでもわかる経済問題・総合

セミナーのご参加者はNPO業界に詳しい方が多かったように思いました。質問なども大変興味深く、次回もまた参加させていただきたいとおもいます!

 

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