傍楽 - Kaori's Blog

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家・活動家から感じたことを綴っていきます。

親の許可が無いと参加できない「ファミマ子ども食堂」について思うこと

ファミリーマートが「ファミマ子ども食堂」を全国展開させるようですが、それについての懸念と意見を書いた藤田氏のブログに賛否両論があるようです。

news.yahoo.co.jp

ファミマの子ども食堂とは、実際にどのような取り組みなのでしょうか。プレスリリースを見てみると、

 株式会社ファミリーマート(本社:東京都豊島区/代表取締役社長:澤田貴司)は、地域交流および未来を担うこどもたちを応援する取り組みの一環として、2019年3月より「ファミマこども食堂」の取り組みを開始いたします。

 「ファミマこども食堂」の取り組みにより、全国のファミリーマートの店舗を活用し、地域のこどもたちや近隣の皆さまが、共に食卓を囲みコミュニケーションできる機会を提供することで、地域の活性化につなげてまいります。

 ファミリーマートでは2018年度に東京都、神奈川県、埼玉県の5店舗で「ファミマこども食堂」をトライアル開催いたしました。このトライアルを通じて、「皆と仲良く話せて良かった」「学年を超えた交流を楽しめた」(参加者アンケートより)といった反響を頂き、開催地域を全国に拡大することを決定いたしました。

 「ファミマこども食堂」では、地域のこどもと保護者を対象に、参加者みんなで一緒に楽しく食事をするほか、ファミリーマート店舗のバックヤード探検やレジ打ちなどの体験イベントを通じて、ファミリーマートに関するご理解を深めていただく取り組みもあわせて実施します(店舗により、一部内容が異なります)。

 

ファミリーマートは、今後とも地域に寄り添い、地域のお客さまのニーズに応じて、全力を尽くして進化し続けてまいります。

 

■「ファミマこども食堂」の概要

概要:ファミリーマートの店舗スペースを活用し、近隣のこどもや保護者を対象に食事を楽しむ取り組み

対象:店舗近隣にお住まいのこども、及びその保護者

(小学生以上は保護者の同意があれば1人でも参加可能)

参加人数:約10名/回

参加料金:こども(小学生以下)100円、 保護者(中学生以上)400円

プログラム:オリエンテーション/みんなとお食事(約40分)

体験イベント(約20分)

※店舗により一部内容が異なります。

www.family.co.jp

個人的な率直な意見としては、「え??なぜ、これが子ども食堂?」と瞬間的に思いました。私の感覚では、この取り組みは「子ども食堂」ではなく、地域住民を対象にした「食を通じた地域活動」「ファミマのお仕事体験」などのCSR活動。そう考えれば何の問題も無いですし、良い取り組みだと思います。

ただ、それを敢えて、社会課題解決アプローチとして認識されている「子ども食堂」と同じネーミングにしてしまったところが、貧困支援の現場から批判を受けているのかと思います。

それにしても、なぜ「子ども食堂」にしたのだろうと、その意図が気になります。
社会課題解決アプローチとしての「子ども食堂」を目指したかったのか、それともPRとして企業が「子ども食堂」を展開するということで注目を集めたかったのか、、とか。

ここに記載されている取り組み内容を見る限り、単発的なイベント開催にしか見えないので(ソーシャルワークや地域連携などは無さそう)、後者の見方をされてしまっても仕方ないのかな、、と思います。

ちなみに、私が「子ども食堂」を運営するとしたら、参加するのに「親の許可は不要」は絶対にするかと思います。「子ども食堂」を必要としている子どもは、何かしら親御さんとの関係が上手くいっていないのではないでしょうか。だって、家でご飯を食べることが難しい or 家族以外と食べたい、などの理由があるのですから。ファミマの子ども食堂は「保護者の許可・同席が条件」になっている時点で、親との関係性が比較的良い子どもが集まる場となりそうですね。

NPOの支援現場とAI

私は、本業ではAIなどの最新テクノロジーをコールセンターの現場で活用することを推進する仕事をしているが、先日以下の記事を読んで、NPOの支援現場にAIが活用される日は来るのだろうか、ということをふと考えた。

www.businessinsider.jp

NPOなどの支援現場やコールセンター(自殺予防やチャイルドラインなど)において、 AIが音声認識技術で相談者の声から感情をリアルタイムに分析したり、支援者に回答のリコメンドをする技術が導入されるようになったりするのだろうか。(もうトライアルで始まっていたりするのだろうか)

企業と消費者との関係性と比べて、相談者と支援者との関係性には様々な原因が複合的して今に至っていたり、支援者の言葉が相談者の人生そのものに影響したりするので、導入も慎重になるべきだと思うし、そもそも効果があるのかも微妙に思う。
それこそ、支援者の支援哲学のようなものは育たなくなってしまうと思うし、画一的な支援者ばかりになってしまうのではないかという懸念もある。個人的には、ベテラン支援者のスキルというのは、当面AIには代替えできないと思います。
だから、彼らのスキルや支援哲学に触れると、すごいな~と思うのです。

 

ただ、ボランティアマネジメント(ボランティアさんに日々の感謝をしっかり伝えたり、ボランティアさんが期待していることを把握したり、現場の情報をタイムリーにお届けすることで、ボランティアさんのファン度を高める)という点では、マーケティングオートメーションは活用してみたい。

あと、「居場所とロボット」という点(ロボットが友達になる時代では、自分の居場所を見失う人が出てくる)はロボットとの関係性と、人間メインのサードプレイスと共存できればいいんじゃないかって思いますけどね~。

「双方向な関係というと、今までは人間対人間でしたが、人間対機械が加わっていくのです。ロボットは感情を読み取り、同情や共感を示してくれるようになります。その時、友達が信頼しているのは僕だけと思っていたのに、それがロボットに取って代わられたら、『僕の居場所は世界のどこにあるんだろう』と思う人は出てくるでしょう」

 

二枚目の名刺「EDAS」活動開始

EDASのメンバーになりました。

EDASとは外国人の定住支援の現場をもっている or 関心のある多様な職種の方が集まっている団体で、「来た時よりも、もっと日本を好きに。」をスローガンに勉強会やフィールドワークなどをおこなっています。中間支援組織的な役割とコミュニティとしての役割が半々なイメージ。同僚のポケモン仲間の紹介で、昨年より仲間に入れていただきました。

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edas.asia

数年前に日本で貧困が固定化し、貧困が生まれている社会構造が理解できていないと他の社会問題も把握しにくくなってきたように、これだけ外国人が身近になってきた今(外国人と働く・生活することの固定化)、外国人支援・政策に関連する動きも把握・推測できるようにならないと、様々な分野において課題解決アプローチを生み出すのが難しくなるのではと感じています。

そういえば、先日参加したイベントで「多文化ソーシャルワーク」という言葉を初めて聞きました。「国際福祉」「越境する福祉」という意味のようです。

「日本人だけの問題であれば国や自治体の制度で支援できますが、外国が関係する場合は、その方の出身国の法制度や社会状況も考慮に入れる必要があります。そこで私たちは、相談者がコミュニケーション可能な言語で聞き取りを行い、関係国の法律や福祉制度などを勘案しながら支援を進めます。
支援の過程では、その人の背景にある文化・宗教も考慮する必要があります。価値や規範の違いを理解しておかないと、無意識のうちに判断にバイアスがかかることがあり、適切な支援を提供できないからです。
最近では、福祉の分野でこのような視点の重要性が認識されるようになり、「多文化ソーシャルワーク」として広まりつつあります」
(日本国際社会事業団 常務理事 石川美絵子さん)

「多文化ソーシャルワーク」、これからニーズが増えてくる重要な役割を担う仕事だと思います。

話は変わりますが、写真はEDASの新年会の様子。理事長の田村さんは、元々コールセンター大手の役員をされていたようなのですが、CSRも10年担当されていたということで、本業やCSRについても色々ご助言いただけそうです。

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「ゴッドタイミング」

 

すべてのことには時がある
私の叔母は熱心なクリスチャンだ。
先日、東京都世田谷区にある上馬キリスト教会のツイッターが人気を呼びネット上で話題になっていた。「ノンクリスチャンの方に礼拝に参加してもらうこと」を目的に、キリスト教や聖書の一見堅そうな世界を、ゆる~くユニークな言葉で日々発信している。

www.kirishin.comこの話を叔母に知らせ、困る前から教会に繋がれたらいいなと、教会の活動が予防支援のような役割もあったらいいね、というような内容のLINEをしたら、「本当にそうだね~」というコメントと共に以下のような返信があった。

おばちゃんは、伝道には「時」があると思っています。
「すべてのことには時がある」と聖書にあります。(自分の家族の時)そのことをとても感じました。
いつも愛する人の救いのことを祈っていたら、神様はその人にとってちょうど良い「その時」(ゴッドタイミングとおばちゃんは言っています)に伝道しなさいと背中を押し出してくれます。
おばちゃんは不器用です。おばちゃんにとって今まで、その人とは、多くの人をまとめて…ではなく、その人に集中してその人1人ずつでした。
ゴッドタイミングがいつかあると信じて。

これは、もちろんキリスト教の伝道の話だけれど、ソーシャルセクターの「支援」にも通じる話だ思った。それまで動き出さなかった人が動き出すタイミング(ゴッドタイミング)は、人がコントロールできるものではない。
その人の生きる時間の中で様々な要因が影響して、何かが動き出すのだろうと思う。でも、なぜ動き出したのか明確な要因はわからない。だから「ゴッドタイミング」。
「ゴッドタイミング」は、そのタイミングを共に待ち、純粋に本気で祈ってくれる(支援してくれる)人がいると、まさに「その時」というタイミングで訪れたりするのかもしれない。

 

ゴッドタイミングを評価できるか
このような人が動き出す(人が変わる)「ゴッドタイミング」を数値化し評価できるのか。また、私の叔母や支援者のように「共に待つ」人の行動をどう評価できるのか。むしろ、「待たない」ことが評価されることになっていないか。

一般社団法人officeドーナツトーク代表の田中さんは、以下のように指摘している。

だから、ソーシャルインパクト評価、あるいは数字の絶対主義は、支援の本質、人間が偶然の他者との出会いによって徐々に変わっていくそのおもしろさを隠蔽してしまう。
そんな、「人間が変わることのおもしろさ」を、現在の成果求道主義のこの社会は押しつぶす。 

news.yahoo.co.jp
まさに残酷なソーシャルインパクト評価。

 

来週は、ソーシャルインパクト・セミナー「社会的インパクト入門講座(NPO編)」に参加予定。ちゃんと勉強して、批評していきます。

SDGsの広がりへの期待と懸念 ~CSRコミュニティの役割について考えた~

 

SDGsの広がり

講談社が発刊する女性情報誌FRaU(フラウ)が2019年1月号で一冊全てSDGsを取り上げ、同時にFRaU×SDGsプロジェクトを始動した。

私が所属しているCSR48(CSRを推進する女子コミュニティ)でも、メンバーが「FRaU SDGs号」発刊&「FRaU×SDGsプロジェクト」の記念パーティを取材している。

www.alterna.co.jp

 

また、広報会議2018年7月号の特集は「SDGs」だったが、販売数は過去最高だったそうだ。この影響からか、11月号にはCSR48が広報コミュニティの一つとして誌面座談会に6ページにもわたって掲載され、10月31日に開催された広報会議の朝活のトークセッションにもCSR48が登壇することとなった。この展開には、わたしもとても驚いた。

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広報会議朝活にリコー太田康子さん、メルカリ山田衣音子さんと3人で登壇

ameblo.jp

 

懸念される「SDGsウォッシュ」

CSR推進の一環でSDGsを呼びかけている立場として、とても嬉しくモチベーションも上がる一方、「SDGsウォッシュ」という言葉に代表されるような懸念を感じているのも事実だ。SDGsウォッシュとは「SDGsに真剣に取り組んでいないのに、取り組んでいるフリをすること」「うわべだけのSDGs」という意味である。

www.alterna.co.jp

 昨年、企業の広報ご担当者と意見交換をさせていただいたことがあったが、SDGsやCSRに関心を持った理由として

「会社からSDGsへの取り組みを指示されたが、何をしていいかわからなく困っている」
「近い将来、うちの部門でCSRを取り組むことになる可能性があるから、その情報収集をしたい」
「広報としてCSRを上手く活用したい」
「IPOする予定なので、CSRもやらないといけないようだ」

というような声が多かったように思う。
共通しているのは「基本的には社会問題にはあまり関心がないが、自分の仕事の役割の中にSDGsが入ってくることを見据えた準備」という点。社会問題についての知識は少ないものの、真面目で前向きな方々という印象を受けた。

これまでは、SDGsやCSRのセミナーへの参加者というと、社会問題への関心が高く自社の中で何とか始めようともがいていたり、経営陣からの理解が得られず悩んでいるというような方(ボトムアップ型)が多かったが、時代の変化により、SDGsが経営からの指示や競合対策などから始まり(トップダウン型)、どう対応していいかわからず悩んでいる層に広がってきたと感じる。

SDGsが広がるというのは当然このようなプロセスがあるわけであるが、社会問題への関心・知識が少ない人だけで企画をつくるというのは、当然本質からブレる可能性も高いと思う。(社会問題解決につながらない、自社のPR・情報発信ツールとして始める等)

本来ここをコントロールするのがCSR担当者なのだが、担当者不在だったり、うまく機能していないことが多いのだろうと推測する。

 

CSRコミュニティの重要性

私は、こういう過渡期の時代だからこそ、CSRコミュニティのニーズを強く感じる。私が所属しているCSR48は、このような悩みをもっ方にとって、知恵やネットワークを得られる有益なコミュニティだと自負している。これまでも、CSRでのキャリアを目指す人、逆に意に反してCSR担当者にアサインされ戸惑っている方などがメンバーに加わりながら、お互い助け合ってコミュニティを構築してきた。その結果、CSRキャリアが進み始めた人、社会問題への関心が高くなり勉強を始める人、自らボランティアを始める人、などが出てきて、こうやって質の高いCSR、SDGsが生まれてくるのだと思う。

 

企業が「誰一人として取り残さない」なんてムリか

最後に、企業が「誰一人として取り残さない」なんて出来るわけがない、というような声も耳にするが、それは少し捉え方が狭いのではと思う。
企業、NPO、行政と、それぞれ社会問題へのアプローチは異なるのだ。確かに、企業はホームレスの現場支援者にはなれないが、ホームレス支援団体との協業はできる。また、シングルマザーの貧困問題に対して、ソーシャルワーカー的な動きはできないが、自社で雇用するシングルマザーをサポートすることはできる。
「人(社会)の役に立ちたい、地域が困っていることを何とかしたい」という純粋な思いをもっている企業だって少なくないはずだ。この純粋な動機をどう自社に合った取り組みにしていくか。ここが、CSR担当者の腕の見せ所なのかもしれない。

 

補足:SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年に国連が開催したサミットで、世界のリーダーによって決められた国際社会共通の目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っている。

越年越冬活動に参加!

明けましておめでとうございます。


毎年恒例ですが、路上生活者支援をしているTENOHASIの越年越冬活動に立教大学院 21世紀社会デザイン研究科 石川ゼミで参加しました。

越年越冬活動(12/30~1/2)とは、日雇いなどの仕事が途切れたり、生活相談をする福祉事務所も閉まり、寒さが厳しくなる時期に、4日間連続で炊き出しをおこない、 医療相談、生活相談、衣料品の配布などをおこなう活動です。炊き出しに並ぶ列の中には、女性もいました。今年は、30~40代の路上生活経験の浅い方が多かったようです。

tenohasi.exblog.jp

 

約400名分の美味しい甘酒をつくり、池袋の公園で配布しました。

(13キロの酒粕をちぎるのが、一番大変!)

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石川ゼミにて甘酒作り

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13キロの酒粕を細かくちぎります

今年は小学生3年生の女の子も参加してくれて、炊き出しでは、最初から最後まで 声がけしながら配ってくれました。「おかわりも、いいですよ~」という声がけ には、こちらもほっこり(*^^*)。甘酒を受けとる方の表情がゆるむことも少なくなかったように思います。

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池袋の公園で甘酒を配布

 

*写真は一部TENOHASIのSNSからお借りしてます
*今年からTENOHSIのマンスリー寄付会員になりました。今年度 経営が厳しいとのことで、ぜひご寄付をお願いいたしますm(_ _)m

tenohasi.org

人はなぜ寄付するのか ~「社会参加」から寄付による「アイデンティティの確立」へ~

昨日は、キフカッション・コレクション~寄付について語る、夏の夕べ~(日本財団CANPAN・NPOフォーラム)に参加してきました!ボランティアとして関わっているNPO法人パノラマが今月から毎月応援サポーターを始めまして、ファンドレイジング担当になったので勉強!!です。

毎年お盆の時期は、canpan山田さんがサマースクールなど、雰囲気はゆる~いけど中身は充実したセミナーを企画してくださいます。今回の講師はcanpan山田さんと株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズ代表の河内山さん。いつもの講師陣です。

 

寄付つきお菓子&チャリティーソングで交流タイム

セミナー開始までの時間はビールで乾杯の交流タイムです。そして、お菓子は全て寄付つき商品で、BGMも全てチャリティソングという徹底ぶりです。

右:フジバンビ「黒糖ドーナツ棒 くまもんパッケージ」

商品の売上1個につき5円を義援金としてフジバンビより日本赤十字社へ寄付。

左:きのとや「札幌農学校 ミルククッキー」

売上の一部を北海道大学へ寄付。さらに、経済的に困窮する学生を対象にした新しい給付型奨学金「きのとや奨学金」を設立

 

ハウス食品「とんがりコーン」

レッドカップキャンペーンを通じ、国連WFPの「学校給食プログラム」を支援。

 

シーラック「がんばれ!!バリ勝男クン」

富士山を未来へプロジェクト:富士山の保護を目的に、売上の一部を、静岡県が設置する「ふじのくにNPO活動基金」へ寄付

 

 

中山昇陽堂「塩チョコきびだんご」

きびだんごで岡山に貢献する「きびだんごプロジェクト Go to ONIGASHIMA」第一弾商品の「塩チョコきびだんご」。売上の3%を社会貢献活動をしている団体に寄付。

 

社会貢献系イベントを開催するときの参考になりますね~。

 

日本初の寄付付き商品は?

セミナーがスタートし、山田さんによる講義「平成最後の寄付事情&寄付文化」「日本の多様な寄付の系譜」で勉強。印象に残っているのは、日本初の寄付つき商品についてです。

日本初の寄付つき商品は、ライオン(株)の前身の小林富次郎商店の、粉ハミガキ『慈善券付ライオン歯磨』なのだそうです。袋に印刷した「慈善券」を孤児院などの慈善施設に贈ると、その枚数に応じてライオンが寄付をする仕組みで、20年もの間、継続されていたようです。日本のCSRは1900年から始まっていたんですね。

www.lion.co.jp

 

人はなぜ寄付をするのか?

続いて、河内山さんからのミニ講義。「寄付とは何か?」について考えました。

寄付とは何でしょうか?人はなぜ寄付をするのでしょうか?

 

【社会参加のチャンス(社会と接点を持つ機会を逃さない)】

NPO側からすると、寄付って経営資源として大変重要ですが、一方「寄付ってお願いしにくいな・・」という気持ちもありますよね。

河内山さんはNPOのファンドレイザーからそのような本音を聞いたときに、寄付するという行為は社会参加の手段のひとつであり、目の前の人が社会参加するチャンスが目の前にあるのに、それを「お願いしにくい..」という(自分の)理由で無駄にしていいのか?、と問うそうです。

確かに、人生において、社会と接点を持つ機会はそんなにあるものではないかもしれません。そのせっかくの機会に対して、まずは寄付をお願いしてみるという覚悟はファンドレイザーには必要かもしれませんね。

社会への関わり方は様々な方法があるかと思いますので寄付でなくても良いと思いますが、寄付が一番精神的な負担が少なく参加できるものかもしれません。

 

【寄付によるアイデンティティの確立】

次に、最近の海外での寄付の事例から、寄付をすることがアイデンティティとなるという大変興味深いお話がありました。モデルのChrissy Teigenさんは、アメリカのトランプ大統領の移民政策(移民・難民の親子が引き離されるという問題)への非難として、トランプ大統領の誕生日に、移民を支援している米国最大の人権擁護団体「米国自由人権協会」に、家族で計28万8,000ドル(約3,128万円)を寄付したそうです。

ちなみにこの金額は、トランプ大統領の72歳(7万2,000ドル)に自分の家族の人数(4人)をかけたとのこと。

www.instagram.com 

これまでバースデードネーションというと、自分の誕生日に寄付を呼びかけることが一般的でしたが、今回のように、何か社会的な問題が発生した時に、自分の意思を伝える方法として寄付を活用する(寄付する先を明言することで自分の意思を表明する)=アイデンティティ、というのは、今後の寄付の動向として増えていくような気がします。

 

ワークショップからの気づき

ワークショップでは、「これまでの寄付履歴」「寄付をする人にとっての寄付の魅力とは」「日本における寄付の役割とは」について、議論しました。

私のグループは、病児保育に取り組んでいるNPOの広報・秘書、人間の終末期ケアに取り組んでいる社団法人の事務局長、地図情報サービス企業で働いている社会人の方など、多様でおもしろかったです。

 

【寄付の魅力】

寄付者にとっての寄付の魅力って何でしょうか。たぶん、こういうことを団体内でも話さないといけないんだろうな、と思いながら考えました。寄付も単発のものからマンスリー会員まで、また自分のお金を寄付するものからクリックするだけの募金もあり、多様です。寄付の魅力も、それぞれ異なるでしょう。

 

個人的には、今後重要になってくる視点は「寄付をどう仕組み化できるか」だと思っています。パノラマでいえば、毎月応援サポーターだったり、あったらいいなと思っている「校内居場所カフェ基金」のようなものをイメージしてます。 

 

ここに寄付する魅力は何か?と私なりに考えると、パノラマの活動を知り関わることで「自己表現ができるようになる」というのがあるかなと思います。なぜ自己表現なのかというと、寄付してくださる方はパノラマが立ち向かう社会問題に対して「なんかこの問題が気になってしようがない」とか「なんでみんなこの問題にもっと取り組まないんだろう!(怒)」などと、妙に個人的にこだわってしまう部分があるのかなと思います。うまく言えませんが、理屈ではなく「感じる」部分があるということです。

 

なぜ、自分がそこに「感じる」のかを突き詰めていくことが、自分を表現することにつながる→(河内山さんの言う)アイデンティティの確立になるのかな、と私は自分の経験から思っています。

 

新元号時代、NPOに寄付する時代は終わる?

最後に、 新元号時代の寄付はどうなるか?という予測について。

平成の寄付の特性としては、災害が多く、災害支援としての義援金があげられるという話がありました。ふるさと納税も始まりましたね。

 

では、新元号時代の寄付はどうなるのか?ネオ慈善は生まれるのか?

私は、新元号時代は「NPOに寄付する時代は終わる」と結構本気で思ってます。

もちろん全くなくなるわけではなく、今は寄付集めの代表となっているのがNPOですが、その代表が変わってくるのではと思っています。

個人によるファンドレイジング、あるいは、行政に近い団体がプロジェクトベースで寄付を募るとか、そんなイメージです。この話になるとまた長くまるので、今日はこの辺で。。

 canpanイベントは久々の参加でしたが、楽しかったです~。

 NPO活動も本格的にやりたいので、これからは、ちょこちょこ勉強会に参加したいと思います!

 

NPO法人パノラマへのご寄付はこちらから

npo-panorama.com