11/19が国際男性デーであることをつい最近まで知らなかったのですが、19日に港区立男女平等参画センター主催「男はつらいよ」で終わらせない-男らしさの呪いから抜け出すために-に参加しました。以下メモです。
数多くの男性特権があることは事実だけれど、では男性たちは幸福で自由なのか?
◆男性の自殺率の高さ
- 男性の自殺率の高さはジェンダー構造や性役割分業の在り方と深く関わっている。
精神疾患の罹患率は男性よりも女性の方が多いが、男性は"男らしさ"のプレッシャーから自分が精神を病んでいるということに向き合えない傾向があり、そもそも受診しないという問題がある(アルコール依存も同様)。
それが状況を悪化させて、最悪の場合は自殺へと至る。
男らしさのプレッシャーから「助けて」と言えず一人で黙って耐えようとする。
男性のメンタルヘルスの問題は「否認の病」。 - 若者たちの自殺の中でも、就職活動の失敗による自殺者には男性が多い。
(仕事・働くことへのプレッシャーは男性の方が大きい) - 男性の幸福度の低さ
内閣府・男女共同参画局『男女共同参画白書』(平成26年版)の「特集 変わりゆく男性の仕事と暮らし」では、初めて男性問題を取り上げた。
(https://www.gender.go.jp/.../h26/zentai/pdf/h26_tokusyu1.pdf)
「現在幸せである」と感じている男女を就業状態別に見ると、「正規雇用者」以外の全てにおいて女性が男性を上回っている。
※正規雇用者に限れば女性よりも男性が高くなるところに、働く女性が置かれている環境面での課題が見える。
◆「脱男性特権的なマジョリティ」になっていくためには
- 男性特権・社会構造を変えていくだけでなく、【男性の加害と被害性のねじれを解きほぐしていく】ことが必要。それには、"男性の痛みや弱みを言語化"していく必要がある。
- なぜ、言語化できていないのか?
- 男性は、自身のジェンダー・セクシュアリティの意味をちゃんと考えたり、語
ったりする機会が少ない。
- ホモソーシャルな男たちの絆(職場、友人関係、飲み会等)の中で癒されてし
まう傾向がある。
- 従って、自らの痛みに気づいていなかったり、痛みや弱さを当事者として語る
ための言葉を持っていない。
- 痛みや弱さを言語化しようとしても、マジョリティという立場であるがゆえに
批判されることもあり、沈黙してしまう状況がある。
当時者の発信はもちろん大事ですが、上記理由からやはり当事者以外の人も言語化し発信していく必要性を感じます。
私の活動の中では、引きこもり問題(男性が多い)や共同親権活動で出会った子どもと断絶されている親御さん(父親が多い)の取り組みの中で感じたことを言語化していければと。この問題は、男性のためだけでなく、女性のためにもなることなので。