サウンド・オブ・ミュージックを、「午前10時の映画祭」で観てきました。
映画館で観るのは2回目ですが、やっぱり映画館で観るべき名作ですね。
以前観た時は、一家はなぜ亡命しなくてはならなかったのかという、この映画の社会的背景を深く考えていませんでしたが、ナチス・ドイツによるオーストリア併合がこの映画の背景にあり、後半に感じられる暗さと影はここにあるんですよね。
トラップ家とも近い存在として描かれている執事のフランツやリーズルのボーイフレンド・ロルフなども親ナチスの人々でした。こういう信頼と裏切りの間で揺れ動く感情は、今の日本にしか住んだことのない私には、なかなか想像できないことです。
それにしても、前回観たときは、海がないオーストリアなのにトラップ大佐はなぜ海軍の大佐だったのか、若くして退官したのはなぜなんだろう、そしてまた海軍という任務が待っているという矛盾なんて当時は想像もできませんでした。
サウンド・オブ・ミュージックって、実話なんですよね。
トラップ一家は亡命し、その後難民として苦労されていたみたいです。小説にはその後が描かれているようですが、「その後」にもう少しスポットが当たればとも思いました。