傍楽:くるりんのブログ

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会事業家の働き方や生き方を研究中。このブログでは、社会問題解決へのアプローチの手法、非営利組織の経営、CSRなどについての気づきを共有していきたいと思います。

SDGsの広がりへの期待と懸念 ~CSRコミュニティの役割について考えた~

 

SDGsの広がり

講談社が発刊する女性情報誌FRaU(フラウ)が2019年1月号で一冊全てSDGsを取り上げ、同時にFRaU×SDGsプロジェクトを始動した。

私が所属しているCSR48(CSRを推進する女子コミュニティ)でも、メンバーが「FRaU SDGs号」発刊&「FRaU×SDGsプロジェクト」の記念パーティを取材している。

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また、広報会議2018年7月号の特集は「SDGs」だったが、販売数は過去最高だったそうだ。この影響からか、11月号にはCSR48が広報コミュニティの一つとして誌面座談会に6ページにもわたって掲載され、10月31日に開催された広報会議の朝活のトークセッションにもCSR48が登壇することとなった。この展開には、わたしもとても驚いた。

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広報会議朝活にリコー太田康子さん、メルカリ山田衣音子さんと3人で登壇

ameblo.jp

 

懸念される「SDGsウォッシュ」

CSR推進の一環でSDGsを呼びかけている立場として、とても嬉しくモチベーションも上がる一方、「SDGsウォッシュ」という言葉に代表されるような懸念を感じているのも事実だ。SDGsウォッシュとは「SDGsに真剣に取り組んでいないのに、取り組んでいるフリをすること」「うわべだけのSDGs」という意味である。

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 昨年、企業の広報ご担当者と意見交換をさせていただいたことがあったが、SDGsCSRに関心を持った理由として

「会社からSDGsへの取り組みを指示されたが、何をしていいかわからなく困っている」
「近い将来、うちの部門でCSRを取り組むことになる可能性があるから、その情報収集をしたい」
「広報としてCSRを上手く活用したい」
IPOする予定なので、CSRもやらないといけないようだ」

というような声が多かったように思う。
共通しているのは「基本的には社会問題にはあまり関心がないが、自分の仕事の役割の中にSDGsが入ってくることを見据えた準備」という点。社会問題についての知識は少ないものの、真面目で前向きな方々という印象を受けた。

これまでは、SDGsCSRセミナーへの参加者というと、社会問題への関心が高く自社の中で何とか始めようともがいていたり、経営陣からの理解が得られず悩んでいるというような方(ボトムアップ型)が多かったが、時代の変化により、SDGsが経営からの指示や競合対策などから始まり(トップダウン型)、どう対応していいかわからず悩んでいる層に広がってきたと感じる。

SDGsが広がるというのは当然このようなプロセスがあるわけであるが、社会問題への関心・知識が少ない人だけで企画をつくるというのは、当然本質からブレる可能性も高いと思う。(社会問題解決につながらない、自社のPR・情報発信ツールとして始める等)

本来ここをコントロールするのがCSR担当者なのだが、担当者不在だったり、うまく機能していないことが多いのだろうと推測する。

 

CSRコミュニティの重要性

私は、こういう過渡期の時代だからこそ、CSRコミュニティのニーズを強く感じる。私が所属しているCSR48は、このような悩みをもっ方にとって、知恵やネットワークを得られる有益なコミュニティだと自負している。これまでも、CSRでのキャリアを目指す人、逆に意に反してCSR担当者にアサインされ戸惑っている方などがメンバーに加わりながら、お互い助け合ってコミュニティを構築してきた。その結果、CSRキャリアが進み始めた人、社会問題への関心が高くなり勉強を始める人、自らボランティアを始める人、などが出てきて、こうやって質の高いCSRSDGsが生まれてくるのだと思う。

 

企業が「誰一人として取り残さない」なんてムリか

最後に、企業が「誰一人として取り残さない」なんて出来るわけがない、というような声も耳にするが、それは少し捉え方が狭いのではと思う。
企業、NPO、行政と、それぞれ社会問題へのアプローチは異なるのだ。確かに、企業はホームレスの現場支援者にはなれないが、ホームレス支援団体との協業はできる。また、シングルマザーの貧困問題に対して、ソーシャルワーカー的な動きはできないが、自社で雇用するシングルマザーをサポートすることはできる。
「人(社会)の役に立ちたい、地域が困っていることを何とかしたい」という純粋な思いをもっている企業だって少なくないはずだ。この純粋な動機をどう自社に合った取り組みにしていくか。ここが、CSR担当者の腕の見せ所なのかもしれない。

 

補足:SDGsエス・ディー・ジーズ)とは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。2015年に国連が開催したサミットで、世界のリーダーによって決められた国際社会共通の目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っている。