傍楽:来栖香のブログ

「働く」とは「傍(近くにいる人)」が「楽(らく)」になること。日々の仕事を通じて社会に貢献する、社会起業家の働き方や生き方を研究中。このブログでは、社会課題をビジネスの力で解決するソーシャル・ビジネス、非営利組織の経営、CSRなどについての気づきを共有していきたいと思います。

人はなぜ寄付するのか ~「社会参加」から寄付による「アイデンティティの確立」へ~

昨日は、キフカッション・コレクション~寄付について語る、夏の夕べ~(日本財団CANPAN・NPOフォーラム)に参加してきました!ボランティアとして関わっているNPO法人パノラマが今月から毎月応援サポーターを始めまして、ファンドレイジング担当になったので勉強!!です。

毎年お盆の時期は、canpan山田さんがサマースクールなど、雰囲気はゆる~いけど中身は充実したセミナーを企画してくださいます。今回の講師はcanpan山田さんと株式会社シン・ファンドレイジングパートナーズ代表の河内山さん。いつもの講師陣です。

 

寄付つきお菓子&チャリティーソングで交流タイム

セミナー開始までの時間はビールで乾杯の交流タイムです。そして、お菓子は全て寄付つき商品で、BGMも全てチャリティソングという徹底ぶりです。

右:フジバンビ黒糖ドーナツ棒 くまもんパッケージ」

商品の売上1個につき5円を義援金としてフジバンビより日本赤十字社へ寄付。

左:きのとや「札幌農学校 ミルククッキー」

売上の一部を北海道大学へ寄付。さらに、経済的に困窮する学生を対象にした新しい給付型奨学金「きのとや奨学金」を設立

 

ハウス食品とんがりコーン

レッドカップキャンペーンを通じ、国連WFPの「学校給食プログラム」を支援。

 

シーラック「がんばれ!!バリ勝男クン」

富士山を未来へプロジェクト:富士山の保護を目的に、売上の一部を、静岡県が設置する「ふじのくにNPO活動基金」へ寄付

 

 

中山昇陽堂「塩チョコきびだんご」

きびだんごで岡山に貢献する「きびだんごプロジェクト Go to ONIGASHIMA」第一弾商品の「塩チョコきびだんご」。売上の3%を社会貢献活動をしている団体に寄付。

 

社会貢献系イベントを開催するときの参考になりますね~。

 

日本初の寄付付き商品は?

セミナーがスタートし、山田さんによる講義「平成最後の寄付事情&寄付文化」「日本の多様な寄付の系譜」で勉強。印象に残っているのは、日本初の寄付つき商品についてです。

日本初の寄付つき商品は、ライオン(株)の前身の小林富次郎商店の、粉ハミガキ『慈善券付ライオン歯磨』なのだそうです。袋に印刷した「慈善券」を孤児院などの慈善施設に贈ると、その枚数に応じてライオンが寄付をする仕組みで、20年もの間、継続されていたようです。日本のCSRは1900年から始まっていたんですね。

www.lion.co.jp

 

人はなぜ寄付をするのか?

続いて、河内山さんからのミニ講義。「寄付とは何か?」について考えました。

寄付とは何でしょうか?人はなぜ寄付をするのでしょうか?

 

【社会参加のチャンス(社会と接点を持つ機会を逃さない)】

NPO側からすると、寄付って経営資源として大変重要ですが、一方「寄付ってお願いしにくいな・・」という気持ちもありますよね。

河内山さんはNPOのファンドレイザーからそのような本音を聞いたときに、寄付するという行為は社会参加の手段のひとつであり、目の前の人が社会参加するチャンスが目の前にあるのに、それを「お願いしにくい..」という(自分の)理由で無駄にしていいのか?、と問うそうです。

確かに、人生において、社会と接点を持つ機会はそんなにあるものではないかもしれません。そのせっかくの機会に対して、まずは寄付をお願いしてみるという覚悟はファンドレイザーには必要かもしれませんね。

社会への関わり方は様々な方法があるかと思いますので寄付でなくても良いと思いますが、寄付が一番精神的な負担が少なく参加できるものかもしれません。

 

【寄付によるアイデンティティの確立】

次に、最近の海外での寄付の事例から、寄付をすることがアイデンティティとなるという大変興味深いお話がありました。モデルのChrissy Teigenさんは、アメリカのトランプ大統領の移民政策(移民・難民の親子が引き離されるという問題)への非難として、トランプ大統領の誕生日に、移民を支援している米国最大の人権擁護団体「米国自由人権協会」に、家族で計28万8,000ドル(約3,128万円)を寄付したそうです。

ちなみにこの金額は、トランプ大統領の72歳(7万2,000ドル)に自分の家族の人数(4人)をかけたとのこと。

www.instagram.com 

これまでバースデードネーションというと、自分の誕生日に寄付を呼びかけることが一般的でしたが、今回のように、何か社会的な問題が発生した時に、自分の意思を伝える方法として寄付を活用する(寄付する先を明言することで自分の意思を表明する)=アイデンティティ、というのは、今後の寄付の動向として増えていくような気がします。

 

ワークショップからの気づき

ワークショップでは、「これまでの寄付履歴」「寄付をする人にとっての寄付の魅力とは」「日本における寄付の役割とは」について、議論しました。

私のグループは、病児保育に取り組んでいるNPOの広報・秘書、人間の終末期ケアに取り組んでいる社団法人の事務局長、地図情報サービス企業で働いている社会人の方など、多様でおもしろかったです。

 

【寄付の魅力】

寄付者にとっての寄付の魅力って何でしょうか。たぶん、こういうことを団体内でも話さないといけないんだろうな、と思いながら考えました。寄付も単発のものからマンスリー会員まで、また自分のお金を寄付するものからクリックするだけの募金もあり、多様です。寄付の魅力も、それぞれ異なるでしょう。

 

個人的には、今後重要になってくる視点は「寄付をどう仕組み化できるか」だと思っています。パノラマでいえば、毎月応援サポーターだったり、あったらいいなと思っている「校内居場所カフェ基金」のようなものをイメージしてます。 

 

ここに寄付する魅力は何か?と私なりに考えると、パノラマの活動を知り関わることで「自己表現ができるようになる」というのがあるかなと思います。なぜ自己表現なのかというと、寄付してくださる方はパノラマが立ち向かう社会問題に対して「なんかこの問題が気になってしようがない」とか「なんでみんなこの問題にもっと取り組まないんだろう!(怒)」などと、妙に個人的にこだわってしまう部分があるのかなと思います。うまく言えませんが、理屈ではなく「感じる」部分があるということです。

 

なぜ、自分がそこに「感じる」のかを突き詰めていくことが、自分を表現することにつながる→(河内山さんの言う)アイデンティティの確立になるのかな、と私は自分の経験から思っています。

 

元号時代、NPOに寄付する時代は終わる?

最後に、 新元号時代の寄付はどうなるか?という予測について。

平成の寄付の特性としては、災害が多く、災害支援としての義援金があげられるという話がありました。ふるさと納税も始まりましたね。

 

では、新元号時代の寄付はどうなるのか?ネオ慈善は生まれるのか?

私は、新元号時代は「NPOに寄付する時代は終わる」と結構本気で思ってます。

もちろん全くなくなるわけではなく、今は寄付集めの代表となっているのがNPOですが、その代表が変わってくるのではと思っています。

個人によるファンドレイジング、あるいは、行政に近い団体がプロジェクトベースで寄付を募るとか、そんなイメージです。この話になるとまた長くまるので、今日はこの辺で。。

 canpanイベントは久々の参加でしたが、楽しかったです~。

 NPO活動も本格的にやりたいので、これからは、ちょこちょこ勉強会に参加したいと思います!

 

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npo-panorama.com