メンヘラ系ネットアイドルである著者の南条あやが、高校3年で自死するまでホームページに掲載していた公開日記(1998年~)の一部を掲載した本。
彼女は父子家庭で育ち、本書も父親によって書籍化される。当時はメンヘラやネットアイドルという言葉は当然なかった時代だ。南条あやは、インターネット黎明期に新しいポジションを開拓していった1人である。
著者は小学生からいじめに遭い、自殺したいほど悩んでいるとわかってもらえれば、まわりも同情してくれるのではとリストカットをする。それが、その後繰り返されるリストカット・自殺未遂につながっていく。
日記からは、大量の薬への依存など状況の深刻さが窺えるが、文章はメンヘラ系ネットアイドル的な、明るくかわいく(という表現が適切ではないかもしれないが)書かれており、それが痛々しく感じる。
「自分で自分を抱っこできない彼女が自分で自分にしてあげられる最後のことが、それ以上の破滅から自分を救うためのクスリや自傷だったのかもしれません」(精神科医 かやま・りか)